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  • 2017.6.10 Sat

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普遍的でタイムレスなインディーロックバンド、DYGLを君は知っているか?

TEXT BY しばた たみ

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しばた たみ
AFRO FUKUOKA ふく編集長

福岡糸島生まれ。カルピスとヤクルトが好きです。カタカナと横文字に弱いです。 へらへら:★★★★☆ 【特徴】どんな感情でも眉毛が下がっており、だいたい目がありません。 http://tamitawi.tumblr.com/

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DYGL?デイ…グル?いやいや、お姉さん。DYGL(デイグロー)ですよ!メンバー4人中、3人が現在活動休止中のYkiki BeatのメンバーだったというDYGL。東京のインディーシーンでもかなり話題になっているバンドで、昨年の4月にEP『Don’t Know Where It Is』をリリース。好評判にして今年、待望の1stフル・アルバム『Say Goodbye to Memory Den』を発売。只今絶賛ツアー中のDYGLが福岡にやってきた!ということで、DYGLについてや制作秘話などをインタビューしてきました。

ー1stアルバム発売おめでとうございます。まずは自己紹介からお願いします。

Akiyama:ギター・ボーカルのAkiyamaです。もちろん記憶はありませんが、0歳2ヶ月から8ヶ月くらいまで福岡の大橋に住んでいました(笑)。DYGLは僕とギターのShimonaka、ベースのKachi、ドラムのKamotoの4人でやっています。大学時代に出会って結成5年目。ようやくファーストアルバムを出すことができました。

左からKachi(ba.)Kamoto(dr.)Akiyama(vo.gt.)Shimonaka(gt.)

ーメンバの4人中、3人が別のバンドYkiki Beatのメンバーでもあったんですよね?

Akiyama:はい。でもバンドを始めた時期はどちらも同じくらいの時期です。結成時はDe Nadaというバンド名でスタートし、Ykiki Beatとそれぞれ並行してやっていたんですが、先にYkiki Beatがアルバムを出すことになり。活動のペースや形式は色々と模索しつつ、バンド名を変えるなど紆余曲折しながら、ようやく今に至るという感じです。DYGLでは基本的にギターロックをやりたいという思いがあり、ギター・ギター・ベース・ドラムというベーシックな構成で活動しています。それこそThe Beatlesなどから続くクラシックなスタイルですよね。ただ、そのなかでも、昔あったものをそのまま再解釈するだけでなく、これまでに無かった新しいアイディアやサウンドを作りたいとも思っています。それが僕らのチャレンジですね。

ー結成5年目での変化はありますか?

Akiyama:結成時は3ピースバンドとして始まったバンドで、僕がドラム・ボーカルをとるという形だったんですが、その後サウンド的に単にノイジーなガレージロックからもう少しメロディがハッキリする楽曲が多くなりはじめました。普遍的でクラシックな曲をもっと作りたいと考える中で、ベースを入れて今の形に落ち着いた感じです。バンド自体の変化でいうと…そうですね、結成当初よりもっと音楽へフォーカスするっていう意識が強くなってきていると思います。始めた頃は学生でバンドもやってバイトもしてっていう感じで。どれくらいこのバンドを続けるか、音楽をどう続けていくかというビジョンが見えていなかったので。どのような形であれ音楽は続けるつもりでしたし、仕事になるかならないかは直接関係ないと思いますが、バンドの経験が増してくる中で新しい音楽的なチャレンジに対する意欲は大きくなってきているように思います。

DYGL「Let It Out」 1stアルバム『Say Goodbye to Memory Den』より

ーそうですね。私自身DYGLの曲を聞いていて初期に比べて最近の曲はとっても聞きやすいというか…敷居が低くなって入りやすい感じになったなぁと感じました。これも意図したところですか?

Akiyama:僕らは“普遍的”で“タイムレス”なものを目指していて「どっかのこの地域のこの人にしか分からない」とか「このタイプの思想をもっている人にしか伝わらない」とかではない、コンセプト勝負というよりも音楽で良さが伝わるものを作りたいと思っています。勿論そのうえでどんな考えや思想を持っているかというのはモノづくりをする人にとってはとても大切だと思いますが、ファッション畑の雰囲気だけのインディーロックや、プロモーション先行のコマーシャルなポップスやロック、そのどちらにも惹かれない分、タイムレスで普遍的なサウンドが一番クールだと信じています。勿論ローカルなアンダーグラウンドな文脈もかっこいいし、物によっては世界中で流行っていてもなおかっこいいと思えるものもありますが。ともかくDYGLとしては、何時どの時代に誰が聞いても、どんなスタイルで演奏されても良い曲だと思えるような曲が作りたいですね。どちらかというとむしろ最初の頃の方がコンセプトがしっかりあって「こんな感じで激しくやろう」とか「こんなバンドを参考にしよう」っていうのがあった気がします。それが自分たち自身がやりたいことは何かというシンプルな問いに目が向くようになってきた。何かを狙ってこうしたというよりも、不必要な色んなものが剥がれ落ちて、より自分たちにしかできない音楽の形に自然となってきたって感じですかね。

ー前回・今回とNYでの収録ということで海外収録にこだわりが?

Akiyama:海外云々というよりも、自分たちの好きなサウンドかどうかで考えているつもりではあるのですが、結果的に海外のスタジオやエンジニア、プロデューサーの方が自分たちに合っていると感じているのは確かです。今回担当してくれたのは『The Strokes』のAlbert Hammond Jr.とGus Obergなんですが彼らが「日本のバンドをプロデュースしたい。」って言っていると、知り合いから紹介を受けました。そもそも僕らも今回のアルバム制作に向けて連絡したいエンジニアの候補を挙げていたのですが、何人かの候補の中にGusもいたのでこれは縁だなと驚いて。前回のエンジニアのAaron Dobosとは、彼がプライベートで日本の観光に来ていた時にたまたま僕らのライブを観てくれてて。そこからの繋がりだったり。まさにご縁があったという感じです。ただ単純に「海外じゃなきゃダメ」っていうわけではなく。プロデューサー、エンジニアなど作品作りで一緒に働く人は、まず共有できる音楽的な言語があるべきだと思うのですが、やっぱり自分たちと好きなバンドが一緒だったり、チャレンジしてみたいことが伝わりやすい人を考えると現状僕らの中では海外のほうがそういう人や場所は多いですね。勿論、能力という面でも、Gusは一緒に働いてみて本当に仕事の速さと正確さ、そして狙った音に関しても感覚はピカイチでしたし、そういった感性が近い人と組めると、その部分を安心して彼らに預けて僕らは音楽に集中できる。そしてそのうえで、その曲を良いものにしてくれるっていう安心感があるところが海外収録にした最大の理由ですね。

Kachi:それと、設備の面でも自分たちの音楽スタイルに合うものが多かったですね。ここが、自分たちの聞いてきた音楽の本場なんだなと感じます。

今回のアルバム制作をしたLAのスタジオにて。

ーなるほど。では今回のアルバム『Say Goodbye to Memory Den』のコンセプトなどはありますか?

Akiyama:ギターロック復興!(笑)。いや、そもそも「ロックは死んだ」ともう何十年も言われているので、意外としぶとくロックは生きながらえているのかもしれませんが。とにかく、自分たちの作り上げてきた曲の中から本当にいいものを詰めました。なのでコンセプトに沿って曲を作ったというより、それこそファーストなので現状持っている全てを出し切ったという感じです。作っていく上では“無駄なものを省く”というのはバンド内で共有しましたね。シンセを入れてみる?っていう話も実際に出たりしましたが、この1stはやっぱりギターだけでやってみようってことになって。そういう意味ではそれがこのアルバムのテーマになると思います。

ー制作していく中でバンド内での役割やルールなどはありますか?

Akiyama:基本的には僕がベースの曲を書いてフレーズもイメージで浮かんで来るので、それを含めてメンバーに聞いてもらう事が多いです。そこからみんなで足すフレーズやアプローチを加えていく感じですね。

Shimonaka:ミーティングも週2ぐらいします。メンバー全員が合意しないと進めないのでその分時間もかかるし、他のバンドよりもミーティングが多いのはこれが理由ですね。

Kachi:ミーティングに加えてLINEで打ち合わせもするし。もはやLINEがなかった頃を想像できないですね。あと嫌いなもの…これは“違う”っていうことがメンバーの中で共通認識できているということが、一番強いかもしれないです。

ー絶賛ライブツアー中ですがライブについて意識していることはありますか?

Shimonaka:なるべく自然体でやっていますね。お客さんも好きに楽しんでもらっていいし。なのでライブだからって過度なパフォーマンスや「盛り上がって行こうぜ!」的なMCをするわけではないです。そういう意識で観に来て頂く方には違和感があるかもしれませんが、乗り方とか聞き方とか僕らはどうでもよくて。ただ単純にいつもどおり全力でやるだけなので、それぞれのスタイルで自由に楽しんでくれればいいなぁと思っています。タオル振っても振らなくてもいいし(笑)。年齢層も幅広いので、気兼ねなくフラッと観て楽しんでほしいですね。

Akiyama:今回はアジアも回るので楽しみです。その先に、欧州・北欧までいくっていうのが今の僕らの目標ですね。

ーやはりワールドワイドな活動を視野に入れられているんですね。

Akiyama:そうですね。昔から好奇心旺盛な性格なので、見れる世界は全部見てみたい。あと実際問題として、僕らのやってる音楽は日本だけでやっていくのはむしろ難しいことも多くて。音楽的な面でいえば、どんな音楽もそうですけれど必ずそれぞれの国にその音楽から何かを感じてくれる人がいる。アジアでもアメリカでもヨーロッパでも分かってくれる人がいると思うし、逆に日本でもわかってくれる人もいると思う。聞いてもらえたら本当は好きになってもらえるはずなのに、音楽的な出会いが無かっただけで関われない人がいると思うと残念ですよね。だから自分たちの音楽の可能性にかけて、エリアは幅広く活動していきたいです。だからこのバンドでやり続けるには、その“芯”というか…その時その時で表現したいことに嘘をつかないことは大事だなっと思っています。一人で作って一人で聞いてるわけではなく、他人に発信している以上聞き手がどう感じているかなど勿論興味はありますが、余計に気にしすぎたりはしません。自分たちの芯を見失ってしまうと自分たちの中から壊れていってしまうので。自分たちのやりたい事を純粋に信じてやるしかないっていうのが今の結論です。

DYGL「Let It Sway」 EP『Don’t Know Where It Is』より

ーでは最後に福岡の方へのメッセージをお願いします。

Kachi:福岡は都会的で便利だけど人はのびのびしていて、そのバランスがすごく良いなと思います。東京は窮屈に感じることも多いので。まだ全然知らないことも多いので、そのうちゆっくり滞在してみたいです。

Kamoto:そうそう。美味しいものも全然食べれてないので食べ呑み巡りたい。

Akiyama:地方のツアーは数が少ないけど、毎回発見があるんです。自分たちが楽しいってことを僕らなりの音楽で演るので、音楽やってる子にも沢山出会えたら僕らも励みになりますね。福岡のバンドシーンも知らないので色んなバンドと出会いたい。もちろん音楽演ってない子も気軽に遊びにきてくれたらいいなぁと思います。個人的にはレコ屋とかも廻りたいです。

Shimonaka:ライブでお会いしましょう!!

ーありがとうございました。5/13[土]の大阪・Umeda Shangri-Laでスタートを切った今回のツアーは「FUJI ROCK FESTIVAL ’17」への出演を挟み日本各地・アジア各国を合わせ33箇所をまわる予定。福岡は6/18[日]!是非、DYGLの生のサウンドを体感してみてください。
DYGL「”Say Goodbye to Memory Den”Release Tour」※終了分は割愛
6/17[土]@長崎県 Studio Do!
6/18[日]@福岡県 INSA
6/20[火]@熊本県 NAVARO
6/21[水]@香川県 高松TOONICE
6/22[木]@愛媛県 Double-u studio
6/23[金]@広島県 HIROSHIMA 4.14
6/24[土]@岡山県 PEPPERLAND
以降スケジュールの詳細はこちら

▶DYGL
2012年結成、Nobuki Akiyama(Vo.Gt.)、Yosuke Shimonaka(Gt.)、Yotaro Kachi(Ba.)、Kohei Kamoto(Dr.)の4人組バンド。日本とアメリカを行き来しながら活動し、結成5年にしてついに待望の1stフル・アルバム『Say Goodbye to Memory Den』を2017年4月19日にリリース。今後、FUJI ROCK FESTIVAL’17への出演も決定しているなか、5月から日本、台湾、香港、韓国、マレーシア、インドネシア、中国を含む”Say Goodbye to Memory Den Release Tour”を行う。
公式WEBページ >>> DYGL

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しばた たみ
AFRO FUKUOKA ふく編集長

福岡糸島生まれ。カルピスとヤクルトが好きです。カタカナと横文字に弱いです。 へらへら:★★★★☆ 【特徴】どんな感情でも眉毛が下がっており、だいたい目がありません。 http://tamitawi.tumblr.com/

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