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  • 2016.8.10 Wed

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【4泊5日の北海道旅行記】SAPPORO BASE vol.2:6月も震えるくらい夜寒い

TEXT BY 川崎 雅宣

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川崎 雅宣
AFRO FUKUOKA 編集長

タウン誌のライターとして編集を学び、この度ついに編集長へ。国民総編集者とも言えるソーシャル全盛のメディア時代に「メディアを通し何が発信できるのか?」という問いに、日々向かい合いながら生きている。

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あらすじ

vol.1を急遽公開した川崎は記事が全く読まれていないことに動揺を隠せなかったー

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YOSAKOIに沸く市街地を横目に地下鉄とバスを乗り継ぎ約40分。やってきたのは自然とアートの融合「モエレ沼公園」だ。

そもそも札幌市内の旅程で候補にあがったのは4箇所。「札幌農学校第2農場」、「石山緑地」、「札幌芸術の森美術館」、そしてこの「モエレ沼」。どこも気になるランドスケープだったが、やはりモエレ沼は名前が図抜けて素晴らしくいい。なんか人に言いたくなる、口にしたくなる響きに、そこはかとない北海道っぽさを強く感じる。

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こちらの写真はお借りした。モエレ沼の空。モエレ空。

モエレの歴史は実は結構古いらしい。1982年に着工し2005年にグランドオープン。足掛け23年とは…。北海道はプロジェクトひとつとってみても規模がでかい。
そしてこのモエレ沼公園の基本設計をしたのは世界的な彫刻家、イサム・ノグチ氏。同氏はゴミ処理場跡だったこの土地を前に“人間が傷つけた土地をアートで再生する”と語ったそうだ。自分の仕事で土地の文脈をドラスティックに変えるなんてかっこ良くて痺れるではないか。イサム・ノグチ氏の遺作となったこのモエレ沼公園誕生までの経緯はドラマチックなので、ぜひ公式サイトの方もご一読を。

モエレ沼公園公式サイト




そして憧れのモエレ沼へ

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モエレ沼では大自然とアート、建築が共存する。空も広い。

現地に着いたのは17時ごろ。レンタサイクルの貸出も終わってるので散策は徒歩だ。だが園内はめちゃくちゃ広い。全部回ってたらもう夜だ。土地勘のない大自然のなか一人で夜を迎えるなんて…。郊外で車が故障して途方に暮れる女子大生の気持ちだ。身の安全を優先し、ここは散策のポイントを絞ることにする。郊外の女子大生の気持ちはX-ファイルか何かで学んだのだ。




モエレの魅力はデザインされた自然景観

それでは女子大生の気持ちで、早速モエレ沼の紹介に入りたいと思う。なんと言ってもモエレの魅力はデザインされた景観であろう。イサム・ノグチ氏が掲げた「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのとおり、公園内には“作品”と呼ぶにふさわしい様々なストラクチャーが存在する。まずは、モエレの名を冠したランドマーク「モエレ山」へ。

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札幌の広い空と大地の間に現れたシンメトリー。山頂までまっすぐ続く道も気持ちいい。

モエレ山は標高62mの低山で、3方向5ルートから登ることができるということだ。運動不足の祟った体を慮り、少しでも勾配がきつくないようなルートを取る。

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こうしてみると人がお米粒のようだ。標高62mとはいえ、怠けた体にはそびえ立つマッターホルンさながら

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こちらなら幾分緩やかだろうと踏んだが、まあ、普通にキツかった

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そして膝に抱えた違和感と引き換えに山頂からの札幌市内の景色を手に入れたのだった。やっぱり北海道は空の面積が大きい。
久しぶりの運動で火照った頬に、心地いい札幌の風を堪能したところで、下りの重力が膝へ与えるダメージに慎重になりつつ早々に下山する。



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P6110570 (2) のコピー

モエレにはもうひとつ山があるが、こちらも山頂の人がお米粒だったので、膝に抱えた微笑みの爆弾に大事を取って白旗を振った

モエレのシンボル、ガラスのピラミッドへ

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そして、モエレで一番観たかったガラスのピラミッド「HIDAMARI」へと向かった。札幌のことを調べていた時にネットで見つけ、一瞬で心奪われたのだ。

私は“透き通ったツルツル”に心惹かれる。みなさんは道端に落ちている“透明のBB弾”をご存知だろうか?私は幼いころ、道端に転がる“透明のBB弾”を拾っては、パブロンの空き瓶にコレクションしていた。そのころの記憶が、今なお私を“透き通ったツルツル”へと掻き立てるのだ。

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出典:ダガシヤ画報

透き通ったツルツルは美しい。そう、いつの時代もそれは変わらない。
ガラスのピラミッドはこれ以上ないほど、透き通って、ツルツルしているはずだ。
画像検索で見つかるガラスのピラミッドの写真たちは、私にその確信を抱かせるには充分すぎた。そしてー

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おお…

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なんと…

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まさに求めていた通りだ!これほど透き通ってツルツルしているピラミッドをガラスのピラミッドと呼ばずしてなんと呼ぶのか。そのくらい透き通っているし、ツルツルだ。ルーヴル美術館のピラミッドへのオマージュともとれるこのモニュメントに、しばし目を奪われる。

来てよかったー

期待通りの透き通りとの邂逅に無心でシャッターを切る。ただ、まわりには一人でモエレ沼公園に遊びに来ている人は見当たらない。かつてIKEAに一人で買い物に行った時と同じ侘びしさを感じながらも、その気持ちの揺らぎだけは、すれ違うカップルや家族連れには1/3すらも悟られまいと平静を装うよう努めた。

このガラスのピラミッドは中の造りも面白い。ギャラリーやレストラン、ショップのほか、イベントスペースとして演劇やライブなどが催されていることもあるようだ。その様子はぜひ現地を訪れ確かめて欲しい。

そうこうしているうちに日も暮れ始めた。そして気付いたのだが、めちゃくちゃ寒い。長袖のTシャツに薄手のパーカーを羽織っていたが、震える。万が一と思いリュックに詰めていたデニムのジャケットを足しにしたがそれでもダメだ。もしバスに乗り遅れでもしたら事態は深刻だ。(たった二つしか回れてないが)帰ろう。

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グッバイモエレ

あまりに寒かったので暖を取ろうと、自販機の「あったか〜い」を探したが皆無。6月も中旬に差し掛かろうというのだ。それも仕方ないのか。市街地に着き、ようやくホット・コーヒーを手にして人心地ー

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暖かい… 郊外から自宅まで帰り着いた女子大生のような気持ちで、思わずさっぽろテレビ塔の灯りが滲んだ夜…

次回、いよいよ札幌を飛び出す女子大生。Macの壁紙にもなったあの池や、命を伝える動物園などを巡った「美瑛・旭川」編をどうぞお楽しみに。

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川崎 雅宣
AFRO FUKUOKA 編集長

タウン誌のライターとして編集を学び、この度ついに編集長へ。国民総編集者とも言えるソーシャル全盛のメディア時代に「メディアを通し何が発信できるのか?」という問いに、日々向かい合いながら生きている。

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