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VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2010.7.1 Thu

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vol.20 杉浦幸

プロデューサー

INTERVIEW

  • 杉浦幸[Yuki Sugiura]
    プロデューサー
    有限会社コンテンポラリープランニングセンター(略称:CPCenter)代表取締役。業態開発プロデュース、ブランディングプロデュース、コンテンツプロデュースの分野で、「モノからハコそしてコト、トキ」まで、生活者視点でのライフスタイル提案型の企画開発をマーケティングからデザインまでトータルに展開している。商空間のプロデュースの分野では、商業施設開発のコンセプトメイキングからトータルプランニング、MDディレクション、環境デザインディレクション、運営コンサルティングまで幅広く手掛ける。

TEXT BY

STAFF
AFRO FUKUOKA

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福岡は、都市機能がしっかりしていながら、一歩離れると自分の世界観が広がる。

福岡の印象や地域性などをお教えください。

昔から福岡はとても暮らしの豊かな町だなと思っています。都市機能と自然のフィールドバランスがとてもいい。人間本来の暮らし方が、実現できる場所だと思います。東京は、様々なコトやモノが集積しすぎている。そして街がそれぞれ分散していながら、どこまでもとりとめがなく、自分の居場所をみつけにくい。福岡は、都市機能がしっかりしていながら、一歩離れると自分の世界観が広がる。きっと他のエリアから見ると、憧れの町だろうと思います。

福岡にはよく来られていらっしゃいますか?

5月にあるデザイニング展というイベントの時は大体来ています。いつも自分の店舗には、初日にふらっと立ち寄るくらいだけれど(笑)デザイニング展では、店舗のスタッフが地元で活躍している人たちとのネットワークを広げて、店舗を拠点に自分たちでできる面白いこととは何かを真剣に考えて取り組んでいる姿を見ています。それ以外に、常時イベントやフェアを仕掛けることができるんじゃないかなということで、スタッフに託しながら自分も関わっていきたいなと想っています。

福岡の人は、常に楽しいことを提供しようという想いが感じられる。

福岡に出店した経緯にはどういったことがあるのでしょうか。

PARCOが以前岩田屋さんだった頃、岩田屋の食品売り場のリニューアルを手掛けたことがあるんです。20年以上前かな。あと、岩田屋本館の最初の構想案の計画にも携わらせていただきました。天神の都市開発が進む前から要所要所で来福していたという経緯があります。その頃から福岡の人は、常に楽しいことを提供しようという想いが感じられる。

ビブリオテークで好きな所やこだわってつくったという所はおありでしょうか?

そうですね。どこか一つにこだわっているというよりも、常に新しい発想を加えたいと思っています。私たちは単なるカフェではなく、お客様が何かしらの刺激を求めて集まる場所でありたい。店舗をプロデュースするにあたっては、そういった装置を作っているつもりです。ブックマークビブリオテークのコンセプトは、「モノの背景にある。ストーリーをお届けする」。ここでは、書籍はもちろんですが、本屋の考える知的なエッセンスのある雑貨を売りにしている。作り手の気持ちからストーリーを感じとり、それをきっかけに人と人とが繋がって、そのストーリーを紡いでいく。店舗は、何かを見出すことができるための、一つの媒体だと思う。

クリエイティブなものが、ここから生まれていくというのが理想ですね。

私も何か新しいものを探すときにここへ来ています。

地元の方が、いざ天神で何かをしようと思ったときにとりあえず集まる場所でありたいですね。とにかく何かのヒントや刺激が欲しいときに来てもらえたら嬉しいです。そういった人達が集まってくれば、そこでまた何か新しい出会いが生まれる可能性もある。それは、新しい作品だったりイベントだったり、こことは違ったお店の開発へと発展していったり、様々な形があると思います。何よりクリエイティブなものが、ここから生まれていくというのが理想ですね。そこには必ず人の存在が大きい。

杉浦さんとお話させて頂いていると、人を大事にしているということがとても伝わってきます。

私が常日頃思っていることに「人間、時間、空間。すべてにおいて”間”が大切」ということがあります。人間は人の間。時間は時の間。空間は空気の間なんですね。私たちはその間を繋ぐことを仕事にしている。その装置がお店であり、お店はただの媒体なんです。そこには人が必要。

若い人達に向けて「やろうと思えばできるんだ」と、私の経験を開示することでひらめきと感動を伝えたいと思いました。

ご自身の本を出版された経緯をお聞かせください。

私もどうやったら形にできるのかが分かっていませんでした。そのため出版のお話を頂いてから、かなり時間がかかってしまいましたね。頭の中で、何をテーマにしたらいいのかを試行錯誤しながら、結構悩みました。結果的には、こういう仕事があるということをできるだけ分かりやすく伝えたいなと。これから活躍する若い人達に向けて「やろうと思えばできるんだ」と、私の経験を開示することでひらめきと感動を伝えたいと思いました。

プロデュースする人に必要な資質やキャリアなどはあるのでしょうか?

何かに特化して勉強したからできるということはないと思います。大切なのは、やはり「取り組む姿勢」。何事にも真摯に取り組むことのできる人が向いていると思う。自分に与えられたミッションに対し、よりよい方向に導きたいとつねに考えること、それにつきます。例えば、福岡の町には今何が必要で、何があるとお客様がさらに喜んでくれるのだろうか、誰かの役に立ちたいと前向きに考える。そしてそれを実行する。新しい物事をはじめるときは、障害はつきものだから、どうやってその障害を解決し実現できるかを真剣に見つめると自ずと答えがでてきます。ただ答えは一つではないから、他にも沢山の選択肢を追求する。与えられたミッションが「VIOROの活性化」だったとしても、PARCOという違う商業施設ができたことがきっかけとしてもまずは天神自体が賑やかになり、その上で、また新しい機能をVIOROに増やしていくことができたら、お客様に喜んでもらえるに違いない。結局はお客様に喜んできていただくことがミッションですから。それがこの発信でなければダメだということは無いし、最終的なミッションを忘れずにそこに向かって様々な方法論を考えていくのが重要。ただ善かれと思ってやったことが評価されないこともあるので…へこたれないことも大切かな(笑)

タイミングを逃してしまうと、いいネタも美味しくなくなってしまいます。

自分のモチベーションを保つことはとても大切なことですね。

私もいつも期限のギリギリまで、まだやれることがあるんじゃないかなと考えています。そういう風に諦めずにやることが大切です。ただそうはいっても、いわゆる大人の事情により、たまに残念な結果もありますよね。でも命とられるわけじゃないから、と思ってやっています(笑)

開発後もクライアントからの声を聞きとるように心がけていらっしゃるのでしょうか?

もちろんです。プロジェクトは、チームとしてやっていかなければいけないことなのでコミュニケーションはとても大切です。コミュニケーションにズレが生じると、目指している方向に進むことができない。「プロデュース」という仕事は、私一人でできることは何ひとつないんですよ。チームが、一つの方向を向いて頑張るために軸となっているだけ。誰か一人がすごく頑張っていてもいい結果が生まれるわけではないです。そして物事には、時間という概念もありますから、いつも脅迫概念にかられながらやっていますね。つねに〆切りみたいなのに追われている(笑)ただ時間は区切って、スケジュールを立てて計画的にやらないと結果には繋がらないと思います。タイミングを逃してしまうと、いいネタも美味しくなくなってしまいます。

本の対談相手は杉浦さんが決められたのでしょうか?

最初は、本の出版企画で対談をするとなると大概の人に会えるという話を聞いていたから全く会ったこともないような人との対談を考えていました。ただ、それだと私の仕事の中身を知らない人と話をしても何か遠い話になると思いました。10年〜20年の間、案件の件数には関わらず、いつも近くで私の仕事に対する取り組みかたや経験してきたこと、また対外的な評価を見てきた人と一緒になり、この仕事のこういう所が必要なんだよねという話をしたいと思いました。そういう話の方が、若い世代に「やればできるんだ」という気持ちになってもらうためのリアリティがあると思いました。そこでまわりを見渡したら、昔から知っている人たちで今は有名人になっている人が結構いるなと(笑)また彼らは、事業をつくることを知りつつ、事業を運営していることもありご一緒したいと思いました。

今後福岡でのプロジェクトのご予定はおありでしょうか?

VIOROのリューアルを進めています。これまでとは違う、また新しい顔ぶれで新しい機能を加えたいと思っています。もちろんVIOROにもまだないし、天神、福岡にもないような業種業態でできればなと思っていて、しかも、それを福岡の「人」から発信する。それをちょっと画策しているところです。今秋を目指しています。 「好きこそものの上手なれという言葉がありますよね。私もそう思います。」と笑顔で話していた杉浦さん。彼女は、自分の好きなもの、欲しいものをつくるために仕事をしているとも言っていた。仕事となると好きだけではうまくいかないというのも事実だが、どんな仕事に対してもまずは「好き」を見つけるのが彼女の法則である。きっと無理をして仕事をしたとしてもいい結果には繋がらないはず。「若い頃は何でも経験だけれど、今は自分に合った仕事を選ぶように心がけています。とはいっても、すぐに何でも興味持っちゃうのですが…(笑)」と杉浦さんは、自分のこともよく理解しており、さらに新しい自分を発見するべく挑戦し続けているようだった。私は同性でこんなにもキラキラと輝いている方にはじめて出会ったような気がする。

INFORMATION

プロデュースする人
杉浦 幸(著) 弘文堂 東京ミッドタウン(六本木)、イーマ(梅田)、remy(五反田)、柏高島屋ステーションモール(柏)、万代シテイ ビルボードプレイス(新潟)、VIORO(福岡)、九九や・旬粋(善光寺)、ura.(恵比寿)、Fairycake Fair(東京駅)等。大規模商業施設からお土産物屋さんやカフェまで、人が集まる場所を数々生みだしてきた「CPCenter」。そんな同社を率いる杉浦幸氏の考え方やノウハウをまとめた一冊。多彩なゲストとの対談も掲載されている。

INTERVIEW

  • 杉浦幸[Yuki Sugiura]
    プロデューサー
    有限会社コンテンポラリープランニングセンター(略称:CPCenter)代表取締役。業態開発プロデュース、ブランディングプロデュース、コンテンツプロデュースの分野で、「モノからハコそしてコト、トキ」まで、生活者視点でのライフスタイル提案型の企画開発をマーケティングからデザインまでトータルに展開している。商空間のプロデュースの分野では、商業施設開発のコンセプトメイキングからトータルプランニング、MDディレクション、環境デザインディレクション、運営コンサルティングまで幅広く手掛ける。

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