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VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2012.4.1 Sun

VOICE TITLE

vol.30 畠山美由紀

ミュージシャン

INTERVIEW

  • 畠山美由紀[Miyuki Hatakeyama]
    ミュージシャン
    宮城県気仙沼市出身。1972年生まれ。ギタリスト・小島大介とユニット“Port of Notes”として、ダンスホール楽団“Double Famous”のボーカリストとして活躍する中、2001年9月、シングル「輝く月が照らす夜」でソロデビュー。同世代の女性をはじめ、本物の音楽を聴きたいという音楽ファンたちから圧倒的な支持を受けている。2011年、ソロデビュー10周年を迎え、ますます、聴く人の心に寄り添う歌をうたっている。

    5th Album【仕様:16頁ブックレット+別紙「詩」特別封入】
    『わが美しき故郷よ』

TEXT BY

STAFF
AFRO FUKUOKA

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ふるさとへの想いを歌にのせて。

2月、ソロでは久し振りのライブを行った畠山美由紀さん。ツアーでプレイされたアルバム、「わが美しき故郷よ」は、宮城県気仙沼市の出身の畠山さんが、震災後故郷のさまざまな場所を訪問し、歌を歌い続け、歌を通し多くの人と触れ合う中から生まれた作品だ。また、ライブでは故郷にむけて詩の朗読や童謡「ふるさと」の合唱などもあり大盛況だった。ここで今一度、「わが美しき故郷よ」の魅力を振り返る。

“みんなが知っている曲”をやりたいと思うようになりました。

畠山さんが気仙沼のご出身ということを、あの日Twitterで知りました。

そうですね。最初テレビでみた時、どこの風景も知っている所だから動揺しました。周りとも連絡がとれないまま、火災の風景をみて、正直取り乱しましたよね。自分の知っている光景が全く別のものとなっていて、辛かった。

あの日から何かかわったことはありますか?

心境はかわりましたね。アルバムの「わが美しき故郷よ」でいうと、カバーしている曲の選び方がかわりましたね。震災の後、自分の出身校や避難所にライブで行かせてもらったことをきっかけに、“みんなが知っている曲”をやりたいと思うようになりました。例えば、「ふるさと」とか「浜辺のうた」、「Over the rainbow」とかね。聞いてくれる人、みんなが喜んでくれる歌をやりたいと。以前だったら、すごく好きだけどスタンダードな歌は入れてなかったんですよ。人間は、いつ何があるか分からないと実感し、今私がこうして普通に過ごせているのも本当に偶然なんだと感じました。そんな気持ちを、今回は詞にもしました。これまでだと書けないような詩だと思います。

故郷でのライブについてエピソードはありますか?

「同級生に帰ってきてよ」と言ってもらったことですね。地元の友人達との交流はここ2〜3年で多くなったんですが、ライブをやって欲しいといわれて嬉しかったです。今39歳なんですが、幼なじみや小中学校の友人達も自ら動くべき立場にある人が多いので、まずやろうと声をかけてもらい実現しました。アルバムの曲は、どれも絶品なんですよ。

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アルバムの曲は、どれも絶品なんですよ。

アルバム「わが美しき故郷よ」のききどころを教えてください。

今回のは、すごく良くって。おおはた雄一さんが詩を書いてくれて、私がそれに曲をつくったり、ピアニストでアレンジャーの中島ノブユキさんと一緒にやったり。あと、LITTLECREATURESの栗原務さん、ジャズのトランペッター島裕介さん、アメリカのジェイコブ・コーラーさんという素晴らしいピアニスト、国宝的な存在の笹子重治さん、小池龍平さん…いつもライブでお世話になっている方々とアルバムをつくることができて、どの曲も絶品なんですよ。そして、何より詩の朗読が入っているので、そこは聞いて欲しいですね。

蒼々たる顔ぶれが集まりましたね。一緒にやることになった経緯はありますか?

カバー曲に関しては、セッションしたことがあった方々ですね。例えば、島さんのジャズセッションが伴奏にいいなとか、小池龍平さんも一緒にライブやっていてハモったりすると、すごく気持ち良いからとか。これまで自分の音楽活動にあったたくさんのヒントを活かしてつくりました。新曲に関しては、大畑さんとか、ギターが本当に最高ですよね!その音で、新しいものをつくってもらいたくて。中島ノブユキさんも昔から一緒にやっているんだけど、ストリングスアレンジで絶対参加して欲しいと思ってました。最近やっている笹子重治さんは、気仙沼でのライブにも来てくれましたし精神的に勉強になることが多くて。

「誇りを胸に旅を続けよう」昔だったら絶対書いてなかったと思うんです。

個人的には、アルバムの中で「風の吹くまま」が好きでした。

本当?すごく嬉しいです(笑)。これは、曲を先にご提供いただいて、歌詞をつけました。歌詞の中で、「誇りを胸に旅を続けよう」というフレーズがあるんですが、こんな言葉も昔だったら絶対書いてなかったと思うんです。きく人にとっても、自分にとっても、そう思ってもらえたら(思えたら)いいなというメッセージですね。あと、子供の前で歌ったことをきっかけに、シンプルな言葉で伝わるようにしようという気持ちが高まりましたね。音楽のスタイルは、人それぞれあった方が良いと思いますし、私はもともとは難解な表現に興味があったんだけれど、老若男女たくさんの方に聴いてもらいたいと思った時には、素直な気持ちで簡潔な言葉でやろうと思いましたね。

ふるさとってかけがえのないものだと本当に思いました。

畠山さんにとって、故郷とはどんな存在ですか?

一言でいうのは難しいですね。実家に帰省した際、東北新幹線で読んだ雑誌で、角田光代さんの書かれた記事が載っていて、彼女は横浜の出身なんですね。いわゆる山河のある所で育ってなくて、街中で育ったからふるさとのある人が羨ましいと。例えば、今田舎に家を建てたとしても、それが故郷ではないと。ふるさとのある人の感じというのは、きっとだんだんと電車が走っていって、車窓から山並みや川がみえたりして、そんな風景全てが自分を迎え入れてくれる感覚なんだと。それが、角田さんには無いと書いてました。彼女は、ふるさとをイメージした時に、電車の四人掛けシートを思い出す。家族みんなで家に帰るまで、電車に揺られるみたいな。私も若い頃、都会に憧れた時期もありましたが、やっぱり違いました。美しい風景や風、光があると思いました。そんな美しい景色って、ふるさとってかけがえのないものだと本当に思いました。あと、ものづくりのインスピレーションの素ですね。

アルバムをこれからきく方にメッセージを。

このアルバムでは音楽的に満足のいくものができたと思っています。制作にあたり、誠実で才能のある方々と一緒にやれたので、音楽そのものを楽しんでいただけると思います。あとは、被災者の方々に思いを馳せるなどこれから何ができるのかなどを一緒に考えていただけたら嬉しいです。

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  • 畠山美由紀[Miyuki Hatakeyama]
    ミュージシャン
    宮城県気仙沼市出身。1972年生まれ。ギタリスト・小島大介とユニット“Port of Notes”として、ダンスホール楽団“Double Famous”のボーカリストとして活躍する中、2001年9月、シングル「輝く月が照らす夜」でソロデビュー。同世代の女性をはじめ、本物の音楽を聴きたいという音楽ファンたちから圧倒的な支持を受けている。2011年、ソロデビュー10周年を迎え、ますます、聴く人の心に寄り添う歌をうたっている。

    5th Album【仕様:16頁ブックレット+別紙「詩」特別封入】
    『わが美しき故郷よ』

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