AFRO FUKUOKA

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VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2015.5.29 Fri

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vol.61 綾野剛

俳優

INTERVIEW

  • 綾野 剛[Go Ayano]
    俳優
    1982年1月26日生まれ。モデル・バンド活動を経て、『仮面ライダー555』で俳優デビュー。ドラマ「カーネーション」や「最高の離婚」で存在感のある演技を披露し、注目を集める。現在、映画を中心に活躍中。

TEXT BY

STAFF
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言葉ではなく態度を通して伝わるものもあるということ

今週末、5/30(土)に公開となる映画「新宿スワン」。各メディアで上々の前評判を目にする中、キャンペーンで来福した綾野剛さんに独占インタビュー。新宿歌舞伎町を舞台に、女性たちに水商売のあっせんをするスカウトマンの男たちの熾烈な争いを描いた本作で、純粋でまっすぐな正義感を武器として必至に今を生き抜く役を好演した綾野さんへ、本作にかける思いや役作りにまつわるさまざまなお話を伺った。

出演のオファーを受けた時の率直な感想を教えてください。

自分に白鳥龍彦を生きられるのかという、自問自答した時期がありましたね。非常に喜怒哀楽が激しく、まっすぐな男で気持ちのいい男ですから。その役を生きるとなると、やっぱり技術的にも精神的にも色んなことが必要となるので、今の自分にできるのかなと正直悩みました。ただ最終的には、思いっきりやりきってみたいと思ったのでお受けしました。

これまでの落ち着いた印象をくつがえす役柄でしたが、役作りで意識したことはありますか?

健康体でいることを大事にしていました。肉体面も健康面も万全でいることをかなり意識しましたね。また精神的にも良い状態をキープし、余裕のある豊かな人でいられるようにしていました。

現場に入る前から金髪にしていました。

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プレッシャーを感じることはありませんでしたか?

プレッシャーというのは、自分で与えるものですから、周りから何か強いものを感じることはなかったですね。自分にはかなり発破をかけてやりました。龍彦を演じるにあたっては、まずその人格と向きあうことが必要だったので、現場に入る前から金髪にしていました。龍彦の金髪姿に慣れるようにして、自分をそのキャラクターに寄せていく作業をしていきましたね。

撮影で大変だったことなどはありますか?

実はあまりないんですよ。龍彦という男が、本当に気持ちのいい男なので彼を生きている時間というのは全然苦痛ではなかったです。ただただ豊かな時間だったように思います。例えば殴りあう喧嘩のシーンでも、彼にとっては会話のひとつなんですね。どれをとっても愛おしい行為ですから、演じる自分が苦痛に感じることはほとんどなかったです。作品の中で沢尻さん演じるアゲハが戻ってはいけないところに戻ってしまうこととか、真野恵里菜さん演じる栄子にも色々な出来事がありますが、龍彦はまっすぐだからこそすごく傷つく。ただその分もっと成長していけるタイプなんですね。だからこそ母体の自分が、嫌な思いをすることがなかったんだと思います。

男というのは、常に女性がいないとダメなものだと思います。

本作には男女それぞれの欲望や願望が描き出されていました。本作を通して「男性の本質的な部分」を語るとするとどういったところだと思いますか?

男というのは、常に女性がいないとダメなものだと思います。やっぱり女性から生まれてきますし。

それでは綾野さんが思う「男らしさ」とは?

どうですかね、あまり考えたことないですね・・・。ただ自分がこうでありたいと思うのは、自分の経験を振りかざすことなく、新しい情報をどんどん取り入れながら人として魅力的になることです。

魅力的な女性も数多く登場していましたが、夜の世界において輝く女性とはどういった人だと思いますか?

しっかり人を見つめることができる人間じゃないですかね。周りを見ることができない人というのは自分の輝きも放てないと思うので。周りをよく見る努力をしている人、人と向き合うのがどういうことなのかを考えられる人が魅力的だと思います。そういう人は男女関係なく輝いていると思いますし、やっぱりそういったお店に行った時にも、輝いている人というのはよく周りを見ている人だと思いますよ。それと集中力もありますね。

監督は、非常に役者に対して愛が深い方です。

今回、園子温監督作品ということで演出についても興味深いのですが、撮影現場はどのような感じだったのでしょう。

園さんは、非常に役者に対して愛が深い方です。作品自体に対してもそうなんですが、とにかく役者が持っているものを必ず全力で受け止めてくれるんです。で、愛してくれるんですよね。さらに、その表現を広めることもやられるので、「個人の力を倍増させてくれる方」だと、そんな印象を持っています。それと印象的だったのは、撮影中どこでもたくさんの見学者がいるわけなんですが、その場で初対面の人たちに声をかけてエキストラとしてスカウトしていたりしたのには驚きましたね。数分後には仲間にしているという。普通ではありえないことを、園さんはわりと自然にやるのですごいなと思いました。

監督の愛情深さは、どのようなところで一番感じましたか?

それは目を見れば分かりますよ。そういうもんです。

好きなことであればいつでも心から打ち込めると思います。

綾野さんが俳優として成長を感じる時はどんな時ですか?

自分自身が成長を感じるということはないですね。いつまでたっても満足できないというか、それがあると先に進めないとも思います。納得する瞬間はなくて、常に役を演じきる感じです。個人で賞をいただくことよりも、作品そのものが評価されることが何より大事なことだと思っています。

とてもストイックに物事に向かっていくような印象を受けましたが、作り手として大切にしていることなどありますか?

ひとりで何かを作るということはなくて、撮影する方、演出の方々、メイクさんやスタイリストさんなど制作に関わるさまざまなスタッフがいるからこそ現場が成り立つと思うんです。現場に入ったところから、全て始まっているというか。たくさんの人とのやりとりが大切で、現場の人とやりとりをしていくことで役にも自然と入っていける気がします。

モチベーションを保ち続けていられる理由は何ですか?

どんな職業でも同じだと思うんですが、好きなことであればいつでも心から打ち込めると思いますし、何か別のことをやっていたとしても本番になればすっとスイッチが入ると思うんです。特別なことは何もなくて、だから自分も役者を続けてこれたんだと思います。

遊園地にある面白いアトラクションを楽しむような作品。

最後に今回の見どころと読者へメッセージをください。

この映画は、本当に遊園地のようなさまざまなワクワクさせるものがたくさん詰まっているので、ぜひ遊びにいく感覚で映画館に足を運んでいただきたいです。本当に、ジェットコースターやゴーカートのような色々なスピード感や爽快感があって、面白いアトラクションを楽しむ感じで見ることができる作品だと思います。

INFORMATION

5/30公開[土]公開

歌舞伎町の裏社会を描いた大人気コミック、「新宿スワン」が園子温の手により待望の実写化!

「ヤングマガジン」にて連載直後から熱狂的な人気を誇ったコミックを、『クローズ』シリーズのプロデューサー山本又一朗と奇才・園子温監督が鈴木おさむを脚本に迎え実写化した。わずか600メートル四方の地に約4,000店以上の飲食店・風俗店がひしめきあうアジア最大の歓楽街「新宿歌舞伎町」を舞台に、女性たちに水商売の斡旋するスカウトマンたちの熾烈なだまし合いによる抗争と、頂点へと成り上がろうとする熱き男たちのロマンを描く。

■ 原作:和久井健
■ プロデューサー:山本又一朗
■ 監督:園子温
■ 脚本:鈴木おさむ / 水島力也
■ 出演:綾野剛 / 山田孝之 / 伊勢谷友介 / 沢尻エリカ / 金子ノブアキ / 深水元基 / 豊原功補 / 山田優 ほか
■ 公式サイト:http://shinjuku-swan.jp/
TOHOシネマズ天神 / T・ジョイ博多 / ユナイテッド・シネマキャナルシティ13 / ユナイテッド・シネマ福岡 ほかにて上映
© 2015「新宿スワン」製作委員会

INTERVIEW

  • 綾野 剛[Go Ayano]
    俳優
    1982年1月26日生まれ。モデル・バンド活動を経て、『仮面ライダー555』で俳優デビュー。ドラマ「カーネーション」や「最高の離婚」で存在感のある演技を披露し、注目を集める。現在、映画を中心に活躍中。

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