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VOICE

VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2018.7.5 Thu

VOICE TITLE

vol.91 池松壮亮/松居大悟

俳優

INTERVIEW

  • 池松壮亮
    俳優
    1990年7月9日生まれ。福岡県出身。03年トム・クルーズ主演の「ラスト サムライ」でデビュー。14年には「紙の月」(吉田大八監督)、「愛の渦」(三浦大輔監督)、「海を感じる時」(安藤尋監督)、「ぼくたちの家族」(石井裕也監督)と注目作品に次々と出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。本作のほか『散り椿』(木村大作監督/9月28日公開)『斬、』(塚本晋也監督/11月24日公開)の公開が控えている。
  • 松居大悟
    脚本家・演出家・映画監督
    1985年生まれ。福岡県出身。劇団ゴジゲン主宰。12年に「アフロ田中」で長編映画初監督。その後「スイートプールサイド」「自分の事ばかりで情けなくなるよ」など作品を発表し、「ワンダフルワールドエンド」でベルリン国際映画祭出品、「アズミ・ハルコは行方不明」は東京国際映画祭・ロッテルダム国際映画祭出品。そのほかミュージックビデオ制作やドラマ「バイプレイヤーズ」シリーズなど活動は多岐に渡る。

TEXT BY

迫口 あかね
プロジェクトマネージャー

1989年熊本市生まれ。 企画・進行管理担当/夢見る少女じゃいられない'16

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「なんてひどい!なんて無様だ!この映画は、観ちゃいけない!」

こんなコピーを掲げた映画「君が君で君だ」が公開になります。監督は福岡出身の松居大悟さん。主演をつとめるのは同じく福岡出身、池松壮亮さんです。松居監督は以前ご自身のラジオで、この作品を売り込んでいたころ、先方から「え、これってどこが共感できるの?」と言われたことを愚痴っていました。確かにこの映画、癖が強めです。怪演ともいえる出演者の迫力に背筋をぞくぞくさせてしまいます。でも気づけば「うん、大丈夫、頑張って!」と主人公たちの背中を押してしまう(…これって共感?)。まさに人の心を突き放しては、惹きつける、今夏の期待作。そんな映画の魅力を帰郷したおふたりに伺いました。

映画「君が君で君だ」

大好きな女の子の好きな男になりきり、自分の名前すら捨て去った10年間。 彼女のあとをつけて、こっそり写真を撮る。彼女と同じ時間に同じ食べものを食べる。向かい合うアパートの一室に身を潜め、決して、彼女にその存在をバレることもなく暮らしてきた。しかし、そんなある日、彼女への借金の取り立てが突如彼らの前に現れ、3人の歯車が狂い出し、物語は大いなる騒動へと発展していく—

>作品詳細はこちら

ーAFRO FUKUOKAです。よろしくお願いします。

松居監督(以下敬称略) AFROさん、覚えていますよ。前に映画「アフロ田中」(http://afro-fukuoka.net/archives/voice/28)の際にもインタビューしてくださいましたよね。「アフロ同士だ」って盛り上がりました。

—覚えていただけていたなんて!光栄です!!今回もよろしくお願いします。

”松居さんの今までの作品の中でいちばん強いものにしたくて”

ー今回の作品、ご自身から、ご感想をうかがえますか?

松居 「やりきったな!」という感じですね。なんの妥協もしていないので。なんて普遍的で!共感に溢れたラブストーリーなのだろうって思いましたね!

ーきょ、共感できる…。

池松さん(以下敬称略) そんなこと言ったらおもしろくない作品だと思われるよ。

(一同爆笑)

ー池松さんはいかがでしたか?

池松 台本の段階からどうなるか、全ての(製作)過程をみていました。作る側の意見になってしまうのですが、松居さんの今までの作品の中でいちばん強いものにしたくて、軟弱じゃない、強度のあるものにしたくて。なんかめちゃくちゃなのだけど強いもの、にしたくて。俳優陣はみんなそれを目指していたので、納得のいく仕上がりになってよかったなと思っています。

ー池松さんの体を張った演技にとても惹きつけられました。監督からもご指導が?

松居 俳優さんなので、(体を張るシーンは)吹き替えの役者を用意したり、人体に害のないうその小道具を用意したりして、安全にできるように準備したのですが。(池松さんは)「そんなの、いりませんよ!俺は!」とかおっしゃるし…。男気だな…って!

ー池松さん、すごく苦笑いしていますけど…。

池松 それは冗談ですからね…(笑)。

(一同爆笑)

”僕は反対したんです”

ー作品のネタバレになるので詳細は語れませんが、登場人物の言動には驚くものがたくさんありました。

松居 そうですね。小道具も「ダサければダサいほどいいよね」という話をしていて、「生々しい」という意味で。その世界観作りにこだわったところがあります。

ー劇中気になったといえば、登場人物の話す方言は、博多弁ですか?

松居 前面には出していないのですが、設定は福岡市姪浜を意識しています。登場人物もずっとそこに住んでいる人や、そこに働きに来ている人など考えて設定しています。

ー池松さんとしては、方言が入っている演技のほうがやりやすいとかあるのでしょうか?

池松 基本的にはどっちでも大丈夫なのですが、今回の映画にとってどちらがいいかを考えたときに僕は(方言を使うことを)反対したんです。でも今回は松居さんが、これまで原作ものなど作ってきたなかで、いよいよ念願のオリジナル作品ということで、自分のアイデンティティのようなもの、自分の内側を掘った作品にするつもりだ、ということがわかっていたので、しょうがないかなって折れて。

ー納得された上で?

池松 方言入れることで、映画の色が全く変わるんですよ。最終的には観る人の好みになってしまうかもしれないですが…。整っていながらも破綻をしている、ストレートにみえて迷いとかゴミが散らかっている、そんな作品表現を目指したいと(松居さんから)伺って。だから、なるほどなと思いました。

”監督と俳優という関係よりも、このテーマにおいて闘いたいという思い”

ー個性豊かなキャラクター「尾崎豊」「ブラピ」「坂本龍馬」ですが、それぞれ池松さん、満島真之介さん、大倉孝二さんをキャスティングした理由というのは?

松居 (今回の作品は)自分にとってかなりデリケートというか、深いところをついたものにしたかったので、池松くんとはこの映画に限らず、他の作品や舞台、MV等で一緒にやってきて、共通言語をいっぱい持っているという認識があったので、監督と俳優という関係よりも、このテーマにおいて闘いたいという思いでお願いしました。満島くんの場合は、追い込んだり、苦しんだりしている役を演じることが多いなという印象で、でも本人は太陽のように明るい人だからそれを表現したいなという思いからです。大倉さんは、僕自身も演劇していてすごく憧れの人だったというのと、この3人の中に大倉さんがいると安心感あるなと思ってお願いしました。

ー以前ラジオで池松さんが「尾崎豊の役をもらえたと思ったら違った」と言っていたのですが、役をいただいたときはどのような思いでしたか?

池松 まあ、ジョークですよ!

ーそうでしたか(笑)。

池松 自分が好きな人というわけでなく、ヒロインが好きな人になりきるという設定だったので特別意識はしていないのですが、どうしても「尾崎豊」にひっぱられる部分がありましたね。仮にも名前を借りてやっているわけですから、彼の26年を否定するような真似は絶対したくないし、彼の表現から外れすぎず、そして映画の表現から外れすぎず、という2本の柱を持って演じていました。

”なにか熱狂する人の姿って愛おしいなと思う”

ー今回の映画「君が君で君だ」はどのような人に観てほしいですか?

池松 どういう人に、というは特別意識していないのですが、この映画はすごく異端なものとして注目を集めていて、実は東京では監督のお母さんがお金を出して宣伝しているのではないかって噂が流れていて…

ーえ!?

松居 流れてない!そんなこと言うから流れちゃうじゃん!(笑)

池松 否定しておきます(笑)。

ー違いますよね(笑)。監督はいかがですか。

松居 そうですね。僕もそうだったのですが、福岡の人は(東京などに比べて)ミーハー心もあって、自分たちのやっているものや考えているものに疑いもなく、何かに夢中になることを、共感してくれると思います。僕はなにか熱狂する人の姿って愛おしいなと思うので、それを肯定してあげたいなという思いで今回の作品を手がけました。なので、そんな夢中になっている人に気軽にみてほしいです。

ーありがとうございました!

INFORMATION

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映画「君が君で君だ」
2018/7/7[土]T・ジョイ博多ほか全国ロードショー

INTERVIEW

  • 池松壮亮
    俳優
    1990年7月9日生まれ。福岡県出身。03年トム・クルーズ主演の「ラスト サムライ」でデビュー。14年には「紙の月」(吉田大八監督)、「愛の渦」(三浦大輔監督)、「海を感じる時」(安藤尋監督)、「ぼくたちの家族」(石井裕也監督)と注目作品に次々と出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。本作のほか『散り椿』(木村大作監督/9月28日公開)『斬、』(塚本晋也監督/11月24日公開)の公開が控えている。
  • 松居大悟
    脚本家・演出家・映画監督
    1985年生まれ。福岡県出身。劇団ゴジゲン主宰。12年に「アフロ田中」で長編映画初監督。その後「スイートプールサイド」「自分の事ばかりで情けなくなるよ」など作品を発表し、「ワンダフルワールドエンド」でベルリン国際映画祭出品、「アズミ・ハルコは行方不明」は東京国際映画祭・ロッテルダム国際映画祭出品。そのほかミュージックビデオ制作やドラマ「バイプレイヤーズ」シリーズなど活動は多岐に渡る。

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