AFRO FUKUOKA

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VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2018.4.25 Wed

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vol.88 COOKIEBOY

INTERVIEW

TEXT BY

しばた たみ
AFRO FUKUOKA ふく編集長

福岡糸島生まれ。カルピスとヤクルトが好きです。カタカナと横文字に弱いです。 へらへら:★★★★☆ 【特徴】どんな感情でも眉毛が下がっており、だいたい目がありません。 http://tamitawi.tumblr.com/

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2008年より活動をはじめ、アパレルブランドなど様々なエキシビジョンやパーティ用クッキーを手がけながら自身の展示会やワークショップなどで活動しているアイシングクッキーアーティストCOOKIEBOY(クッキーボーイ)。日本にアイシングクッキーというジャンルを確立させ、オリジナリティ溢れる色使いや細工の神業はスイーツだけにとどまらず、ファッション業界からの支持も厚い。大人も子供も、女性は勿論男性も見て食べて楽しめるアイシングクッキーの秘密に迫ってみた。

ーどのような経緯で現在の表現の方法になられたのですか?

COOKIEBOY(以下敬称略):僕の実家は京都で西陣織をやっていたんです。家の横に工場があって、毎日ガチャンガチャンやってるような環境に育ったので、クリエイティブなことが日常にあることが普通でした。なので小さい頃から、親の影響で工作や絵を描くことが好きでしたね。それからファッションに興味が出てきたので、進学もファッション科のある学校に行きたかったんですが、親の許しが出す(笑)。織りの勉強とかが出来るからという説得をされ、テキスタイル学科に行ったら楽しくてハマってしまって。シルクスクリーンや布ことを学びました。就活もうまくいき、某子供服メーカーのテキスタイル部門に就職が 決まっていたんですが…なんか違うなぁって思っちゃったんですよね。それでその就職も蹴って。この頃から、東京に出たいっていう気持ちが強くなってきて、何も決まってないのに東京で暮らし始めました。この頃はホント貧乏でしたね(笑)。

ー勢いのまま上京されたんですね。

COOKIEBOY:お金がないので自炊をし始めて、パスタ麺・小麦粉で食いつないでいました。そしたら、これが楽しくなってきて(笑)。自分でパンやお菓子を作り出すようになり、もっと勉強したくてパン屋さんに就職しました。そこでお菓子作りを1から学びました。でも、しばらくして…パンやお菓子や好きなんですけど、毎日茶色ばっかりの世界がつまらなくなってきて(笑)。基本カラフルなものや、派手な柄や色が好きなので、職場で出来ないなら自分でカラフルなお菓子を作り始めたっていう経緯ですね。あくまで個人的な趣味として今の活動の原点となるアイシングクッキーを作って友人にプレゼントしていました。

ーその頃、アイシングクッキーは日本では浸透していたのでしょうか?

COOKIEBOY:いや、まだ全然浸透していなかったと思います。たまーに、おしゃれなカフェとかにあったくらいかな?そもそもイギリスのお菓子なんですけど、クラシックなものをモチーフにしたり、色も上品なものしか見たことがなく。『もっと…誰も見たことのないモノを作りたいな』と思いだして自分で試行錯誤しながら家で作り始めました。友達にファッション関係の人とが多く、その内の1人の靴のブランドをモチーフにしたクッキーを作ってプレゼントしたら面白がってくれて。その友人が顔が広いのか配ってくれたのか、そこから口コミで注文が入るようになったんです。そっから忙しくなってきたんで、パン屋を辞めてこちらを本業にしている感じです。

ー今のスタイルを目指したっていうよりは、たどり着いたって感じなんですね。

COOKIEBOY:そうですね。狙ってやったわけではないです。自分が興味があることを自分なりの表現方法にしたら思いの外ウケたって感じですね。昔から絵を描いたり、デザインすることは好きだったので、たまたまその時に興味のあった食品(クッキー)にアウトプットしてるだけ。なので今後は別のものっていう可能性も全然ありますね。

ー使われてる材料などは全てオリジナルですか?

COOKIEBOY:今でこそアイシングクッキーを作っている方は沢山居ますが当時は居なかったので材料も技術も自己流です。材料なんかは、そんなに難しいことじゃないんですが、描き方とかのコツは始め全く分からなくて。アイシングの作り方さえ、様々な種類があったので試して失敗しての繰り返しでやっと書きやすい硬さやコツを掴んでいきました。 あとは、アイシングクッキーというと、淡い色使いの可愛らしいデザインのものが多いのですが…僕はそれが絶対イヤだと思ってて。スイーツとはかけ離れた昆虫や生肉をモチーフにしたものや、カラーリングもバキッとした色を組み合わせることが多いです。

ー確かに。どうしてもスイーツ(食べ物)に落とし込めるとなるとデフォルメしがちですが、COOKIEBOYさんが作り出すクッキーはリアルですもんね。

COOKIEBOY:昆虫やスニーカーって食べようって思わないじゃないですか(笑)。はじめた頃は、現実にあるものをミニュチュアにして食べれるみたいな…食べれないものを食べれるみたいなことをコンセプトとしてやっていましたね。

ーZINEを拝見しましたが、食べることだけじゃなく、ネックレスやヘッドピースとして撮影してるものがありましたが。

COOKIEBOY:このクッキーを食べずに保存したいと言ってくれる人とか凄い多いんです。なので、樹脂加工したりしてブローチにしたりとかも、昔は結構やってました。ファッションが好きなので、自分のクッキーでなにか出来るっていうのは嬉しいですね。

ー食べれるっていうところは、そんなにこだわっているところではないのでしょうか?

COOKIEBOY:どっちでもいいです。作り終えたら、すぐ食べてもらってもいいですし、保存しといてもらってもいいですし。それはお客様の手に渡ってしまったら、全然好きにして下さいって感じです。絵を描くことが好きなので、先程も話したけど、クッキーにアウトプットするっていうことは、そんなにこだわりはないですね。クッキーに描くということで下準備も凄く大変で手間もかかるので、時々大変なものを選んじゃったなぁって思いますし(笑)。Classic COOKIEBOYって名前でイラストレーターとしても活動しているので、普段からロゴのデザインや、色々イラストを描いたりもするので。

ーそうなんですね。でも、私はCOOKIEBOYの作品を初めて見た時にアートを食べれる感覚って新しいなぁと思いました。

COOKIEBOY:それは確かにあるかもしれない。絵画みたいに残せないから、どんどん作らなきゃっていう使命感もありますね(笑)。作品集を作ろうとしても写真にしか残らないし。儚さっていうか、瞬間を心に残すっていうのだったり、一緒に食べる思い出なんかを大切にしてもらえたらっても思いますね。

ーワークショップも勢力的にされていますが、実際にお客様と触れ合ってみて感じたことなどはありますか?

COOKIEBOY:ワークショップをやるきっかけは、僕がアトリエしかもっていなくて、販売をするきっかけとしてアイシングを体験してもらおうという感じではじめました。それまでは量注文とかしてもらっても発送だけして終わってしまっていたので、実際にコミュニケーションして渡せるっていうのはとても嬉しいし楽しいです。なので、実店舗には憧れる。元々カフェをしたい憧れもあったし、そこで1からアイシングクッキーの教室やったりとかしたいんですけどね。

ーすごく人気が出そうですね。今回のワークショップも満員でしたし、夏山さんの人柄も柔らかいので女性も話しやすいんだろうなぁと感じました。

COOKIEBOY:ほんとに僕自身、毎回楽しく参加させてもらっています。僕自身の活動PRも告知もSNS、主にインスタでしかやっていないのに、見てくれる人が沢山いてありがたいです。

ー今後、挑戦してみたいと思いことがあれば教えて下さい。

COOKIEBOY:お店のこともあるけれど、今年は海外での活動を沢山できるといいなぁと思います。去年、香港で教室をやったんですがとても反響があって。

ー海外ウケよさそうですね。和のテイストを洋菓子に落とし込むっていうのも面白い。

COOKIEBOY:ついでに、旅行に行きたいっていうのが大きいんですが(笑)。親にもパッケージに西陣織つかってほしいとか言われるんですよ。まぁでも、根底にある「人のやらないことをやりたい」っていうことをゆるりと出来たらと思います。

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