AFRO FUKUOKA

VOICE

VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2018.5.15 Tue

INTERVIEW

  • 吉田 羊
    女優
    2月3日生まれ。福岡県出身。97年に舞台でデビュー。約10年間舞台を中心に活躍し、07年から活動の場を映像にも広げ、着実に出演数を重ねて、14年大ヒットドラマ「HERO」(CX)で一躍その名を知られる。『映画ビリギャル』(15年)で、第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、第58回ブルーリボン賞助演女優賞などを受賞。16年は、大河ドラマ「真田丸」(NHK)に出演、『嫌な女』で映画初主演、「コールドケース~真実の扉」(16・WOWOW)で連続ドラマ初主演、「メディカル・チーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」(CX)で地上波連続ドラマ初主演を務めるなど文字通りの大ブレイクを果たした。本作『ラブ×ドック』は映画では初の単独主演作となる。その他、近年の主な出演作に『HERO』(15)、『映画ビリギャル』(15)、『ボクの妻と結婚してください。』(16)などがある。公開待機作は『恋は雨上がりのように』『コーヒーが冷めないうちに』(18)。

TEXT BY

岡島 佐和
プロジェクトマネージャー

瓶ビールならサッポロ、ワインなら白、つまみなら鳥刺し派です。音楽なら、古いほうがいいですね。 あ、今日ですか?空いてますよ、今夜なら。

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羊さんと、恋の話を。

恋をたくさんしたい。でも失恋なんて、生きているうちにこれほど経験が少ないほどありがたいこともそうないんじゃないかと。そう思えるほどに、恋が終わる時、恋が始まった自分からマイナス15キロくらい減ったんじゃないかというくらい、ゲッソリと身が削れるもの。特に歳を重ねると、「無駄な恋はしたくない…」と、そう願うのは誰しもが想うこと。でもそんな時、運命の恋が遺伝子で診断できたなら。実にならない恋とはおさらば?特効薬はオトナの諦め?でもそれは、幸せの近道?

10代向けのトキメキ系ラブコメを見て育った女子も今や30代。仕事と結婚を天秤にかけては、ゆらゆらと揺れるハカリには翻弄されてしょうがない。「恋はしたい、でも失敗はもうしたくない…」ブレーキの効きばかり良くなっていく、そんなオトナ女子にもう一度送るラブコメ・映画『ラブ×ドック』のプロモーションで出身地・福岡に訪れた女優の吉田羊さんと、映画と、恋の話をしてきました。

− 鈴木おさむ監督との初タッグで、映画初の単独主演となりましたが、完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

「イタい…」と思われがちなアラフォーの恋愛を『ラブ×ドック』というファンタジーで包んで、しっかりとエンターテイメントに仕上げている。さすがは長年放送作家としてお茶の間を賑わせてきたエンターテイナー・鈴木おさむさん、彼の手腕が存分に光る作品だな、と感じました。

− 今回の映画は、まるで「10代のラブコメ」のようなポップで元気の出るような作品になっていますよね。でも30代以降向け恋愛モノは、ちょっと前までは「不倫」がテーマのものが流行ったり、生き方や恋と愛ついて真剣に考えさせられるような、なんだか深遠なテーマを扱う作品が印象としては強いです。
そんな今回“異例”ともとれる映画の中で、主人公「剛田飛鳥」を演じるにあたり、どのような「飛鳥」を作り上げていきたい、と思われましたか?

今回扱っている3つの恋のエピソードって、普通だと興味はあるけどやらない、というかやれない。みんなが一歩踏み出せないような恋愛だと思うんです。そこに踏み込んでいく飛鳥というのは、ある人にとっては「バカだな」と思われるだろうし、「不器用だな」と、笑われる存在かもしれません。
そこでこの映画の中で必要だと思ったことは、飛鳥が登場人物たちに「愛される」こと。愛されなければ飛鳥のセリフは効力も、説得力も持たなかったんだと思います。そのために飛鳥をどう魅力的に演じるかを考えました。
飛鳥は仕事において、計算高いようできちんと努力を重ねている人であり、恋愛においては学習しないところはありますが、本能的で自分に正直に生きている人。その大きな2つの柱を丁寧に演じることに注力しました。
仕事人の「飛鳥」に関しては、製菓の先生についていただき本格的なレッスンを受け、ひとりの女性としての「飛鳥」に関しては、セリフをいう「吉田羊」に嘘がないように、自分自身と飛鳥をリンクさせて演じる、ということを心がけました。

− 主人公「剛田飛鳥」と吉田羊さんの共通点や、飛鳥に対してご自身も共感する点などはありましたか?

仕事の面では私も、「自分の居場所を作りたい」「評価されたい」という思いを持って奮闘している最中なので、飛鳥が「パティシエとして何か成し遂げたい」という気持ちには共感できるシーンがいくつもあります。
恋愛の面では、野村くん演じる星矢と付き合っているときの「いずれあなたも私と別れる、だったら傷つかないうちに今のうち別れたい」という言葉のように、「転ばぬ先の杖」を何本も置いてしまうような、先回りして自分が傷つかないよう自己防御するというやり方は、リアルな私にも通じるところだなと思います(笑)。

− 今回、吉田鋼太郎さん演じるオトナの色気溢れる「淡井淳治」、玉木宏さん演じる肉食同世代カレの「野村俊介」、野村周平さん演じる年下ピュアボーイ「花田星矢」と、年齢も特徴もさまざまな男性キャラクターと恋をしますよね。飛鳥でなく、「吉田羊さん」にとって、1番魅力的だな、思うキャラクターはどのキャラクターですか?

不倫でなければ淡井さんはステキだなと思います(笑)。まず、仕事のパートナーとしてはきちんと言葉を持ってして励ましてくれそう。
でも何より私自身、人生にはユーモアが必要だと思っていて。歯の浮くようなセリフを真顔で恥ずかしげもなく、そして説得力を持って言える人ってなかなかいないと思うんですけど、それができてしまうのは、ある意味でユーモラス。オトナの経験値ならではの引き出しの多さも感じられるので、女性としても常に喜ばせてくれそうだなと思います。

− 淡井さんとの例の“クリーム”のシーン、ドキドキしちゃいました。

「ロマンチックな雰囲気を作られると、女性もロマンチックを演じ始める」っていうことだと思うんですけど、台本を読んだときは私自身あまり腹に落ちるような感覚がなくて。でも実際に演じてみると、鋼太郎さんが全力で「甘い淡井」を演じてきたので、「こっちもノらないと損」というか、「ノッたほうが楽しいな」、っていう感じになって。
おさむさんのセリフはひとつひとつが言い得て妙で、やってみるとそれがよく分かるんですね。なので、みなさんにも例の“クリーム”のシーンをご覧いただいたあとにやってみてほしいです、クリームをたてるところからぜひ(笑)。

− 映画のラストには飛鳥の恋がうまくいくか、結婚するのか、仕事に生きるか…は秘密として(笑)。もし映画を見た方に何か伝えるとしたら、どんなメッセージを送りますか?

どんなに傷ついたって、「人生に無駄な恋はないんだ」とセリフがあるんですが、失恋したって死にはしないし、その人を好きになったことでしか得られない、かけがえのない感情ってあると思うんですよね。
だからこそ、喜びも、悲しみも全て人生の肥やしなんだと自分自身を肯定できること、大事なことだと伝えたいです。幸せのカタチはその人次第で、捉え方次第で、人それぞれでいいと思うので。

− 結婚をすることだけが女性の幸せではないと思うのですが、どうしても結婚って、女性の幸せのモノサシとして使われがちですよね。吉田さんにとって女性がどのようにあることが「幸せ」だと思いますか?

幸せの定義って人それぞれだと思うんですけど、私は「自分が必要な人間だと実感すること」だと思います。結婚をした方はパートナーにとって、子供にとって必要な人間でありたい、お仕事を選ばれた方は自分が必要な人材だと実感したいと願うように、他の人たちも同じようにそう思っていて、そんな想いはこの世に溢れていると思うんですね。でもそれって自分がいろんな人たちにとって助け手になれることも、実は溢れているんじゃないかと。
そう考えると幸せになることって、実はそう難しいことじゃないんじゃないかって思います。

− 喜びも悲しみも味わうにはまず、恋ですよね!でも恋をしたいけど、敵が多いのもリアルな福岡事情…ならば福岡の女性がもっと広い場所に目を向けた時、武器になるものってどんなものだと思いますか?

福岡での出張から帰ってきた人がよく「街を歩く女性がみんなかわいい…!」ということをよく聞くんです。福岡は台湾や中国、韓国にも近かったり、転入や出張先としても多い場所ですよね。恐らく見た目だけのかわいさだけじゃなくて、そんないろんなところからやって来る方々を受け入れる「懐の深さ」や、「よかよか!」って寛容に許してしまうような「心のかわいらしさ」が顔に表れているんじゃないかと思ってます。だからそこは自信を持って、「福岡出身です」とアピールしてみてほしいです!
あとはやっぱり方言は強いですね。「博多弁しゃべって」って、飲みの席とか行くとよく言われることは多いはずです。「2割増しでかわいくみえる…!」とか言う人もいましたね。ぜひ、方言は全面に押し出したほうがいいと思います(笑)。

− ありがとうございます!では最後に。AFRO FUKUOKAをご覧の皆さんにメッセージ&恋をがんばりたい福岡女性にエールをください!

オトナでも恋したいし、キュンキュンもドキドキもしたいと思うんです。でも一方で、「オトナだから言えない」とも思うんじゃないかと。そんな方にこそ、喜びも悲しみもあわせ飲んで自分の人生だと肯定できるような、楽しくて、ハッピーで、幸せになれるこの映画をご覧いただきたいです。映画を見て「もう一回恋してみようかな」と思っていただけたらうれしいですね。福岡の女性はとてもステキですから、ぜひ自信を持って一歩踏み出してみてください!

INFORMATION

映画「ラブ×ドック 」


http://lovedoc.asmik-ace.co.jp/

運命の恋、遺伝子で診断します!女性のホンネが詰まってる!? 笑って泣けて恋がしたくなる、”大人のため”のラブコメ、誕生! 

♥ 映画『ラブ×ドック』5月11日(金)〜 絶賛上映中!

[出演]吉田羊/野村周平/大久保佳代子/成田凌/広末涼子/吉田鋼太郎(特別出演)/玉木宏
[劇場]ユナイテッド・シネマキャナルシティ13ほか全国

(C)2018「ラブ×ドック」製作委員会



INTERVIEW

  • 吉田 羊
    女優
    2月3日生まれ。福岡県出身。97年に舞台でデビュー。約10年間舞台を中心に活躍し、07年から活動の場を映像にも広げ、着実に出演数を重ねて、14年大ヒットドラマ「HERO」(CX)で一躍その名を知られる。『映画ビリギャル』(15年)で、第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、第58回ブルーリボン賞助演女優賞などを受賞。16年は、大河ドラマ「真田丸」(NHK)に出演、『嫌な女』で映画初主演、「コールドケース~真実の扉」(16・WOWOW)で連続ドラマ初主演、「メディカル・チーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」(CX)で地上波連続ドラマ初主演を務めるなど文字通りの大ブレイクを果たした。本作『ラブ×ドック』は映画では初の単独主演作となる。その他、近年の主な出演作に『HERO』(15)、『映画ビリギャル』(15)、『ボクの妻と結婚してください。』(16)などがある。公開待機作は『恋は雨上がりのように』『コーヒーが冷めないうちに』(18)。

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