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若手コンビ「スパークス」としてデビューするも、まったく芽が出ないお笑い芸人の徳永（菅田将暉）は、営業先の熱海の花火大会で4歳上の先輩芸人・神谷（桐谷健太）と出会う。神谷は、「あほんだら」というコンビで常識の枠からはみ出た漫才を披露。それに魅了され、徳永は神谷に「弟子にしてください」と申し出る。神谷はそれを了承し、「俺の伝記を書いて欲しい」と頼む。その日から徳永は神谷との日々をノートに書き綴ることに。
その後徳永は、拠点を大阪から東京に移した神谷と再会。毎日のように芸の議論を交わし、神谷の同棲相手である真樹（木村文乃）とも仲良くなり、仕事はほぼないが才能を磨き合う充実した日々を送るように。
しかし、いつしか２人の間にわずかな意識の違いが生まれ始める―。
原作は、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹の初純文学作品。漫才の世界に「夢」を持って身を投じるも、結果を出せず底辺でくすぶっている青年・徳永と、強い信念を持った先輩芸人・神谷が出会い、「現実」の壁に阻まれ、「才能」と葛藤しながら歩み続ける青春物語。
掲載された雑誌「文學界」は驚異的な売り上げを記録。「第153回芥川賞」を芸人として初めて受賞する快挙を達成するなど、発売当初から大きな話題となり、2016年6月からNetflixでドラマ化され、さらに同ドラマがNHKで連続ドラマとして放映されるなど、ますます注目を集めている。
そんな本作の監督を務めるのは、又吉の大先輩でもある板尾創路。2010年に『板尾創路の脱獄王』を監督。初長編監督作品にも関わらず、釜山国際映画祭をはじめとした国際映画祭などに出品され、第29回藤本賞・新人賞と、第19回日本映画批評家大賞・新人監督賞を受賞。2012年には、2作品目となる『月光ノ仮面』を監督。俳優からも監督としての才能を高く評価され、映画監督の平山秀幸、是枝裕和らもその演出を絶賛されている。又吉が創造した＜芸人＞の世界を廣木監督とは違う観察眼で映像化できるのは、同じ芸人であり、又吉からの信頼も厚い板尾監督しかいないとの声に快諾し、彼ならではの視点を盛り込みながら映画「火花」を新たに創造する。
青年・徳永を演じるのは、若手随一の演技派・菅田将暉。2016年だけで９本の映画に出演し、テレビドラマ、ＣＭ、バラエティ番組とその姿を見ない日はないほどの活躍ぶり。今最も勢いのある若手実力派俳優が、まったく芽が出ない若手お笑い芸人を演じる。
先輩芸人・神谷を演じるのは、個性派俳優・桐谷健太。数々の作品でその圧倒的な存在感が見るものをひきつけると同時に、2016年紅白歌合戦に出場するなど、お茶の間でも広く愛される存在。徳永の師匠となり、強い信念によって“真の笑い”を追求する芸人を演じる。共に今を時めく人気俳優であることに加え、「舞台に立ち、人を笑わせる“漫才師”としての存在感」、「目指した“夢”を前に惑い、突き進む危うさ」を表現できる稀有な俳優として、二人に白羽の矢が刺さった。
菅田と桐谷は映画初共演だが、auのCM「三太郎」シリーズの鬼ちゃん・浦ちゃんでもお馴染みの人気コンビのかけあいに注目。また菅田、桐谷ともに大阪出身であり、それぞれのコンビが魅せる関西弁の台詞や漫才シーンにも期待が高まる。
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