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• 2016.11.12 Sat

Nao Tsuda, [IHEYA・IZENA] (2016)
© Nao Tsuda, Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

D&DEPARTMENTの4店舗巡回展、写真家 津田直による新作写真集[IHEYA・IZENA]の刊行に合わせた写真展が開催される。[IHEYA・IZENA]は、[SAMELAND]（2014)、[NAGA]（2015)に続く、津田直のフィールドワークから生まれた写真集の第三弾となるもの。本写真展は、写真集出版元の「limArt」が運営するアートブックショップ「POST」と、D&DEPARTMENT4店舗による共同開催。イベント会場には、伊平屋島と伊是名島の食品を含む沖縄の物産も並ぶこととなっている。

今回のテーマとなる、沖縄本島北西部に位置する二つの小島、伊平屋島と伊是名島。津田直は、四年前に拠点を九州へと移したが、それは南方へと繋がる道を開くためだったようにも思える。作家が、導かれるように数年かけ二つの島を訪れ、島に住む人々との交流を重ねながら、暮らしの中に潜む小さな行いに目を向けて撮り下ろした作品集 [ IHEYA・IZENA ] 。それらは、天を仰ぐクバの茂み、お盆に先祖を迎え・送りをする人々、供物が捧げられた聖域での祈り、古から受け継がれてきた神事に見る神人と子供の姿、就学のため春には島を離れるという少女の踊り、雨水の滴る月桃の花、風の岩からの眺め…というさまざまな姿で現れている。

2014年からスタートした津田直のフィールドワークのシリーズは、この[IHEYA・IZENA]をもって一つの目標地点に到達する。北欧のサーメ人たちを被写体にした[SAMELAND]、ミャンマーの北西部に住むナガ族を被写体にした[NAGA]、そして[IHEYA ・ IZENA]の三作品は、地理的には遠く離れているが、いずれの土地にも人々の暮らしの中心には現代の社会が失いかけている信仰の存在があり、これらの辺境とも言える小さな地域に残っている文化や生き方を知ることで、我々に“今日の在り方”を見つめ直すきっかけを与えてくれるものだ。現代の社会が再考すべき価値観をフィールドワークのシリーズで提示する、津田 直の新しい試みをぜひ自分の目で。

【スライド＆トークイベント】「南方の光と影、食卓からの眺め」
2016/11/26［土］開催

作家によるスライド＆トークイベントを開催。第1部では、今回のD&DEPARTMENTとの取り組みについて、また沖縄の自然観や暮らしについて、スライドを交えてトーク予定。第2部では、写真の舞台である沖縄の離島の食材などを使った料理を楽しみながら、撮影時のスライドを上映し、裏話などを聞く立食スタイルの交流会となっている。

第1部 / スライド＆トーク 18：00〜19：30　※聞き手 相馬夕輝（D&DEPARTMENT）
第2部 / 交流会（食事付き） 20:00-21:30 ※ドリンクは別途となります。
参加費　1部のみ 1,000円、1部・2部通し 3,000円
※要予約
※第2部のみの受付けは、行っておりません。
[予約方法]　店頭またはお電話にて：092-432-3342（D&DEPARTMENT FUKUOKA）

PROFILE / 津田直
1976年神戸生まれ。ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けている写真家。2001年より国内外で多数の展覧会を中心に活動。シリーズに、『近づく』 (2001-2004)、『漕』(2005-2009)、『SMOKE LINE』（2008)、『果てのレラ』（2009)、『Storm Last Night』（2010)、『REBORN』（2010-)、『Earth Rain House』（2012)、『Grassland Tears』（2015-)がある。また最近では、現代美術のフィールドを越えて他分野との共同制作や雑誌連載、講演会、 特別授業を行うなど活動は多岐にわたる。2010年、芸術選奨新人賞(美術部門)受賞。主な作品集に『漕』(主水書房)、『SMOKE LINE』(赤々舎)、『Storm Last Night』（赤々舎)がある。2014年にフィールドワークから生まれた写真集 第一弾『SAMELAND』(limArt)、2015年に第二弾『NAGA』(limArt)を上梓。大阪芸術大学客員 准教授。

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