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  • 2019.9.20 Fri

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映画『見えない目撃者』舞台挨拶レポート!

TEXT BY 郡 沙有美

TEXT BY

郡 沙有美
WEBデザイナー

長崎県佐世保市出身。 好きなことは寝ること、辛い食べもの。

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映画『見えない目撃者』主演の吉岡里帆さんと福岡出身の高杉真宙さん、森淳一監督が来福!
9月15日(日)にT-ジョイ博多で行われた『見えない目撃者』舞台挨拶の様子をレポートします!


映画『見えない目撃者』

©2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ ©MoonWatcher and N.E.W.

闇の中から迫り来る、猟奇殺人犯の凶器と狂気。しかし犯人を追い、追われる主人公も視力がないことで闇の中にいる――。目の見えない元警察官が視覚以外の感覚を手掛かりに、女子高生連続殺人事件を追う『見えない目撃者』。この作品は、聴覚のほか触覚や嗅覚も駆使した五感に訴える本格スリラーとなっている。
主演を務めるのは、人気実力派女優の吉岡里帆。主演2作目でスリラー映画初挑戦となる彼女が、渾身の役づくりと演技で難役に挑んでいる。また、なつめに力を貸すもうひとりの目撃者・彼女の目となるもうひとりの目撃者の国崎春馬には、話題作への出演が相次ぐ若手演技派俳優の高杉真宙。さらに、大倉孝二、浅香航大、國村隼、松田美由紀、田口トモロヲといった実力派キャストたちがなつめたちと物語に深く関わり、本作に説得力を与えている。
見えないことのハンディキャップとアドバンテージが得も言われぬ恐怖と興奮を生む本作の原作は、韓国映画『ブラインド(原題:BLIND)』(11)。同作を脚本・藤井清美と監督・森淳一が原作の魅力を生かしながら、日本ならではの文化性と時代性を加えて脚色。『重力ピエロ』(09)など人間の内面をえぐるサスペンスの名手でもある監督が、社会的に“見えない”人々の闇や孤独にも触れ、残酷描写も徹底して描き、表現の限界に挑んでいる。
主人公にシンクロしながら、聞いて、嗅いで、触れて味わう臨場感と緊迫感。一方で、彼女が体験する恐怖と衝撃の結末を、観客は体感しながら“目撃”することになる。『セブン』(95)にも通じるサイコサスペンスで、ミステリーやホラー、そして人間ドラマの要素も網羅しながら、何より感覚と精神に訴えかけてくるスリラーとなった『見えない目撃者』。その目で見ずにして語り切れない、新しい傑作映画がお目見えする。

公式サイト

映画『見えない目撃者』
http://www.mienaimokugekisha.jp/


─福岡が地元でいらっしゃる高杉さん。舞台挨拶としては1年ほど前に来られているということなんですが、久々に降り立っての気持ちはいかがですか?

高杉:こうやってお仕事で呼んでいただいて帰ってきて、今日実家のほうにぶらっと帰ったんですけど、楽しく過ごさせていただきました。


─ほっとできましたか?

高杉:そうですね。今日は寝癖がすごくて、吉岡さんに言われてほっとしてたんだろうなって(笑)

吉岡:ほんとにすごかったんです!ツノみたいなのが生えてて「えーっ?!」って(笑)


─吉岡さんは下準備として取材を重ねて挑まれたということですが、どういった取材をされたんでしょうか?

吉岡:警察官学校で主席で卒業している役だったので、警察官の方に取材させていただいて、学校での過ごし方だったり、トレーニング内容なども教えていただきました。
そのあとに目の見えない方への取材が始まって、スタッフさんも含めてお話を聞いて、生活の不便な部分だったり、どれくらい場所を把握して生活しているのかとか色んなお話を伺いました。
映画にたくさん協力していただいたので、みなさんのお話があってこのキャラクターが生まれたという実感があります。すごくすごく感謝しています。


─知識という面だけでなく、体作りもされたそうですが…

吉岡:主に背筋と腕を鍛えて、腕に筋肉がついて太くなってきていい感じだなと思ってたんですけど衣装が冬服だったのでほぼ見えてなくて(笑)
ちょっと隠れたなというのはあったんですけど、アクションをする上ではしっかり筋肉があるほうがいいみたいなので、頑張ってみました。


─盲導犬パルとの絆はどうやって作り上げましたか?

吉岡:パルとの関係性は現場のみなさんが作ってくださった部分が大きくて。
台本にパルとはわたし以外は目を合わせちゃいけないとか、写真はもちろんNGで、触るのもNGっていう注意書きを書いてくださっていたんです。
わたししかパルに触れられない2ヶ月間を過ごしていたので、パル自身もわたしとバディを組んでいるんだなと思ってくれていたように感じます。


─高杉さんから見た女優・吉岡さんの印象はいかがですか?

高杉:最初お会いする前に吉岡さんの作品を見させていただいて、そのイメージだと笑顔が素敵で女性らしい印象が強かったんですけど、今回なつめの芯の強さが吉岡さんとすごく重なるものがあったりとか、ほんとにかっこいい方なんですよね。
仕事に対してストイックだったりとか、体当たりで感情をぶつけてくださったりとか。心意気がイケメンだなと思いながらいつも横で見させていただきました。
そういう座長だったから僕らもついていけたんじゃないかなと思いますね。


─イケメンという予期せぬワードが出てきましたが…

高杉:ほんとにかっこいいんですよ。
こういう取材でもたくさんフォローしていただいて、姉御って感じです!


─吉岡さんは高杉さんと共演されて、どんな印象をお持ちになりましたか?

吉岡:撮影中のイメージと今のプロモーション中のイメージにすごくギャップを感じています。
撮影中はすごく集中力が高くて、繊細なアプローチだったり、高校生の絶妙な思春期の中でうごめいている寂しい気持ちや表に感情が出せない感じだったり…
心の中の高校生らしさとか少年らしさを一緒にお芝居していてすごく感じて。
この人とならすごくいいバディ像を描けるなと思っていたんですけど、プロモーションを一緒にしていると、あれ?かわいい人だなっていうのがだんだん出てきてて。
初めは真面目な一面しか見ていなかったので、今すごく面白い高杉真宙さんをたくさん見させていただいて、毎日笑ってますね!



─監督から見てお二人はどんな演技を見せてくれたという印象ですか?

森:役作りをちゃんと台本読んで考えて、自分の意見をもって現場に臨むんですが、僕の意見を聞いてくれて違いを埋めたりとか、どっちを選ぼうかとか。
とにかくすごく真面目に役と向き合っている二人でした。
あとはスタッフに対する気配りがほんとにすごくて、現場でスタッフに好かれる二人だったっていうのが印象に残っています。


─今回はR15指定といことで、作品の描写や構成にこだわった部分はありますか?

森:R15の作品を作りたいと思って臨んだわけではないんですけど、猟奇殺人事件を描くのであればある程度リアリティを表現しないとちょっと逃げてる軽い感じの映画になっちゃうのはもったいないなと思って。
例えば医療ドラマとかでも内臓のシーンとかないと嘘くさいじゃないですか。
そういった意味ではちょっとチャレンジしたいなと思ってやってました。


─高杉さんが春馬役を演じる上で意識したことはありますか?

高杉:春馬の人を信じられなかったり、夢を諦めていたりというのが現代にありがちだなと思っていて。
そういう子が成長していくのをはっきり見せられたらいいなと思っていました。
最初と最後でガラッと変えられるようにと思っていたんですけど、別人になるとかじゃなくて徐々にいろんな大人の方に出会って変わっていく春馬を演じられたらいいなと思っていました。


─体作りを頑張ったという吉岡さん。トレーニングによる変化は感じていますか?

吉岡:もともと体が強くないので、現場を乗り越えるためのパワーがついてきた感じがして、簡単にバテないようになったのはすごくよかったなと思います。


─アクションだけでなく、演技をする上でも体を使った表現が多かったんじゃないかと思いました。特に地下鉄でのシーン。あの緊迫感を出すためにはどんな撮影現場だったんでしょうか?

吉岡:あれはほんとに大変でしたよね。
はじめにいただいた台本から随分追加の台本が入ってきて、「地下鉄を走り逃げ惑うなつめ」みたいなのが書いてあって、きっとどこかをまっすぐ走ったりするのかなと思っていたら、地下鉄中を逃げ惑うようになってて。
あのシーンだけで1週間くらいかかっているんです。
撮ってもなかなか辿り着かないような撮影でしたね。
一番難しかったのはパルとのお芝居でした。
パルとずっとバディを組んで意思疎通してやってるんですけど、あそこまで盲導犬が激しく走る描写ってなかなか映画でもないと思うんですけど。
パルも役者犬なので、懸命に頑張っている姿をみてました。


─この地下鉄のシーン、監督はいかがでしたか?

森:これも面白いな、こっちもやってみたいなって書いてたらどんどん増えちゃって。
1つの地下鉄に見えると思うんですけど、実は何ヶ所もまわって実際に動いてる通勤客がいるような地下鉄も人がいないところを狙って撮ったり、いろんなものが積み重なってあのシーンができていますね。
大変だったと思います。僕も大変でした(笑)



CINEMA INFORMATION

映画『見えない目撃者』
出演
吉岡里帆 高杉真宙
大倉孝二 浅香航大 / 國村 隼 / 松田美由紀 田口トモロヲ
監督
森淳一
脚本
藤井清美・森淳一
公開
9月20日(金)
WEB
http://www.mienaimokugekisha.jp/

TEXT BY

郡 沙有美
WEBデザイナー

長崎県佐世保市出身。 好きなことは寝ること、辛い食べもの。

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