• GOURMET
• 平尾

TEXT BY

川崎 雅宣

AFRO FUKUOKA 編集長

編集部のKISS

海外行くかもな？と思い、10年パスポートを取ってから4年過ぎた。未だ日本は出ていない。 しかし平尾にナポリがあると聞くと、無意識のうちに6年パスポートをジーンズの尻ポケットに押し込み、一路平尾のナポリこと「Ringrazie」へと向かっていた。

確かに平尾にナポリはあった

ナポリな店内

気持ちいいほど白い塗り壁に、大きな窓から差し込む優しい陽の光。 平日ながら満席の店内には楽しそうな笑い声が弾む。 これがイタリア…。初めて感じる異国に体温が上がる。 そこでふと空腹だったことを思い出し、日替わりで供される三種のパスタから新鮮な魚介がふんだんに使われたフルッティ ディマーレを注文した。

これが「フルッティ ディマーレ」だ

前菜にパン、コーヒーまで付き800円というきっぷの良さ。世界は広い…としみじみ。

アサリ、タコ、ハマグリ、エビ。幾重にも織り重なる魚介の芳醇な旨味がオイルと絡まり、パスタとともに舌の上を通り抜けていく。そして「オイルソースにトマト？」という意外な組合せにも驚いたが、皿に彩りを添えたチェリートマトの小気味いい酸味と甘みが、魚介の味を見事にクッと引き締める。うまい。最高だ。 しかし、これほど近くにナポリがあるとは…。パスポートは5年で良かったかもな？と少し悔いた。