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  • 2016.12.15 Thu

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新世代を担う音楽界のダークホース、HOWL BE QUIET 竹縄航太インタビュー

TEXT BY 田中 月

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田中 月
編集アシスタント

キラキラネームじゃありません。セーラームーンや夜神ライトが好きとかそういうわけでもありません。歳に似合わず中身が老けていると、年齢詐称を疑われる日々と戦っています。

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『サネカズラ』は、本当に自然な流れで決まりました。

-『サネカズラ』は自分の恋愛観やエピソードを重ねてしまうような歌詞だと思いました。これは、実体験からなるものだということは、かなり赤裸々な話ですよね。

そうですね。恋愛が一番内面のドロドロしている部分が表れるものなので、それを自分に嘘偽りなく描こうと思いました。

-そうなんですか!

はい。2年前に付き合っていた彼女がとのことです。一緒に住んでいたんですが、別れることになり、そのまま次の家が見つかるまで…とかヌルっと気持ち悪いした空気が苦手なので、彼女が家にいない隙に自分の荷物を全部片付けました。歌でも言っていますが、彼女が帰ってきたら見紛うくらいにしたかったんですよ。「一緒に住んでたのに、あれ、自分は一人暮らしだっけ。」と勘違いするくらいにさせたいというか。僕は振られたんですが、多分その行動をロジックとして分解すると、振られるって付き合っている上ですごく裏切り感があるなって思うんですよ。一緒にいるって言ったじゃんって、あれだけ好きってお互い確認し合ったじゃんって。その上で振るっていうのは、こっちからすると裏切られたって思いますし、傷つけられた感覚っていうのは多分誰しもあると思うんですよ。だからなんですよね、傷つけられた分、傷つけたいというか。自分が傷ついた分、なんか負けた感じがして悔しいじゃないですか、自分だけ傷ついていたら。男のくだらないプライドじゃないですが…。それで生まれたのがこの曲です。

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-前回のシングル『Wake We Up』はアップテンポでしたが、今回の楽曲を選んだ理由は何ですか?

次のシングルどうするってなったときに、カップリング曲の『Higher Climber』が、テレビアニメの「DAYS」という作品のオープニングテーマに選んでいただいていたので、その曲をリード曲にしようか迷いました。でも、メンバーやスタッフなど、チームの共通認識の中で「これじゃないね」みたいな話をしていて。それは多分『サネカズラ』という曲があったから、それをみんなどこかで求めていたんだと思いますし、言い換えると直感というか。「これじゃない」という中で『サネカズラ』が浮上してきて、本当自然な流れで決まりました。
メジャーデビュー1stシングルの『MONSTER WORLD』と、2ndシングル『Wake We Up』、今回のタイアップの『Higher Climber』とアップテンポな曲が続いていたので。その差別化も含めて、改めてHOWL BE QUIETの原点に戻るというか、自分たちというバンドは「歌をちゃんと鳴らしているんだ」って認識を、自分たちだけじゃなく聞いてくれているリスナーにも感じてもらいたかったというのがありましたね。

-先ほど『サネカズラ』は2年前にできた曲だとお聞きしましたが、ライブなどで披露はされていたのですか?

ずっとしていませんでした。元々バンドでやろうと思っていなかったんですよ。その元カノに向けた歌だったので。その子に対してだけ傷を残せればいいっていうのがありました。(笑)

-なるほど。(笑)

(笑)。でもメンバーに聞いてもらって反応が良かったのもありました。それで、このタイミングにHOWL BE QUIETというバンドを知ってもらう上で、やっぱり詩や曲を書いている自分がより裸にならないと、リスナーも裸で付き合ってくれないなっていうのを感じたんですよ。今一度さらけ出さなきゃな、となったというか。そんなタイミングで『サネカズラ』を出すのは自分の中で一つ覚悟のいる行動だったし。さらけ出すというよりも、これをHOWL BE QUIETの曲として出すのは、自分としても一歩踏み出せるんじゃないかなというのがすごくあったので、そういう意味でもこの曲を選びました。

-打って変わって、テレビアニメ「DAYS」の第2クールのオープニング主題歌にも起用されている、2曲目の『Higher Climber』は、前回の主題歌『Wake We Up』と同じアップテンポでもかなり疾走感のある曲に仕上がっていますね。

そうですね。

-前作と比べて意識したところとか、今作で変えたところなどありますか?

比較とかは一切していないですね。今回もお話をいただいて書き下ろした形ではあるのですが、前作と比べてどうこうとかいうよりも、制作のときにどういうことを歌いたいかというのをすごく考えました。アニメのお話をすると、第1期が負けたところで終わるんですよ。今回は負けたところから始まるストーリーっていうのも原作を読んでも知っていたので、そこを踏まえた上で。人生で負けたことの無い人は一人もいないと思いますし、そこからどう這い上がっていくかもそうですし、どう戦っていくかというところで生きている人は沢山いると思います。僕らもその一員だと思うので、そこの共通認識とか共感はすごくありました。今回の方が歌にしやすかったですね。

-3曲目の『Dousite』はどのようなコンセプトの楽曲になっていますか?

これもさらけ出した感じにはなっているんですけど。皮肉ですかね、自分の中の後悔とか。どうしても生きていると…、生きている感覚も別に無いんですけど。毎日過ごしていると良いことよりも悪いことの方が目につくもので。それに対して後悔だとか憤りだとか、そういうのはすごく感じるし。「なんでこう上手くいかねえかな」と思うことばっかりだなっていうことをただただ歌にしたというか。ほんと、吐露ですね。ゲロった感じですね。(笑)自分の中の不平不満というか。そういう感じがすごくありますね、はい。

-さらけ出した歌詞だとファンも自己投影しやすいような気がします。

そうですね。うんうん。

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-今回いらしてみて、福岡の印象はどうですか?

ご飯がすごく美味しいですよね!前にライブで来たのが4月に『One-Two-Three, For!! TOUR 2016』というSHE’SとLAMP IN TERRENとのスリーマンライブで来たのですが、お客さんのテンション感が良い意味でバカみたいに高い。演奏している僕らも勇気というか、逆に力をもらいました。そんなお客さんに負けないぞっていう気持ちでライブできました。その独特のエネルギーが、福岡に限らず九州の方たちはあるという風に感じましたね。すごいウェルカムですよね!

-最後に、AFROの読者に向けて一言お願いします。

『サネカズラ』という曲は僕個人の、すごいしょうもないというか、本当にちっぽけな後悔の歌です。多分、この曲を聞いて共感してくださる女性がいたとしたら、きっとそれはどうしようもない男と付き合った経験があるのではないかとか、男性で共感してくださる方がいれば、俺みたいに女々しいやつなのかなと思うし。そういう意味でも『サネカズラ』というシングルは、寄り添うわけじゃないんですよ。寄り添いたくて書いているわけじゃないので。ただどこかで自分の糧にしてくださる方がいるんじゃないかと曲の力を信じているというか。
読者の方にも、僕らを初めて知ったという方が多いと思うので、この『サネカズラ』というシングルをぜひ聞いていただきたいなと思っています。

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【CD】
『サネカズラ』
2016/12/14[水] Release
1.「サネカズラ」
2.「Higher Climber」(TVアニメ「DAYS」オープニング主題歌曲)
3.「Dousite」
WEB:http://www.howlbequiet.com/

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