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禅や仏教文化を背景に、日本古来の“書”と言うカリグラフィーの枠を超越した手法で、身体性、空間性を伴ったコンテンポラリーな表現を追求するアーティスト「Daichiro Shinjo」による展覧会「JINEN」が、12/18[土]~12/27[月]UNION SODAにて開催。
精神と身体の分解を、煤と膠を使って自ら作った「墨」と、自身の「身体」を使って試みる彼の絵画空間は、見るもの自身を鏡のように写し出し、X線のように透過します。
また今展覧会では、生まれ育った宮古島の“藍”を使った作品を初展示。
無為自然と言う原点へ向かい、「自然(じねん)」に回帰した、新境地となる展覧会となります。
「tricot COMME des GARCONS」の2021 AW collectionに作品が起用。
また「エルメス」が制作したドキュメンタリーフィルム「HUMAN ODYSSEY」に抜擢されるなど、今まさに国内外で注目を集めている「Daichiro Shinjo」の貴重な展示、是非お越しください。
漆黒の油煙煤に、幾多の色を知る。
溶解していく膠に、命の生き返りを見る。
意識的にも、無意識的にも、“変わるものと変わらざるもの”の世界において、正解らしき俗識に慣れた私たちに、私たちは見えない。
記号や言葉に固執し、その意味に執着し、様々な理由を語って自己を限定する。知性や便宜が厄介者となった時、実存への運動を分析や比較が邪魔をする。
溢れる一つ一つの言葉を疑念して、連続を重ねた目の前にある黒の塊もまた、矛盾と反復に満ちた体験ではあるけれど。
変転常無いこの世で、異質的なものさえ寛容し、自ずから然らしむ時、一体を試みる以前に一体であることを知る。
Daichiro Shinjo
Daichiro Shinjo
禅や仏教文化に親しみながら幼少期より書道を始める。沖縄の精神文化を背景にオールドファッションな書道を飛び越え、身体性、空間性を伴ったコンテンポラリーな表現を追求するアーティスト。1992年沖縄県宮古島生まれ。静岡文化芸術大学卒。2017年10月 Playmountain Tokyoにて初個展「Surprise」、2018年 TRUNK HOTEL ロビーインスタレーション、UNTITLED ART FAIR 2020(サンフランシスコ)等。アパレルブランド「tricot COMME des GARCONS」の2021 AW collectionに作品が起用。また「エルメス」が制作した、クリエイターとクラフツマンシップとの出逢いを追ったドキュメンタリーフィルム「HUMAN ODYSSEY」に抜擢されるなど、多岐に渡り注目を集めている。
※参照
煤(すす):煙に含まれて立ち上る炭素粒。有機物が不完全燃焼を起こして生じる炭素の微粒子。
膠(にかわ):獣類の骨・皮・腱などを水で煮た液を乾かし、固めた物質。
Photo by Alexandra Scarangella
EVENT INFORMATION
※詳細に関しては運営元に直接お問い合わせください
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