AFRO FUKUOKA

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VOICE

VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2018.2.3 Sat

INTERVIEW

  • 太賀
    俳優
    1993年、東京都生まれ。 存在感のある高い演技力が老若男女のファンの心をつかみ、多くのドラマや映画、舞台に出演。映画『バッテリー』(07)で注目を集め、「天地人」(09/NHK)、「江〜姫たちの戦国〜」(11/NHK)、『桐島、部活やめるってよ』(12)「八重の桜」(13/NHK)などに出演し人気を博す。その他にも「あまちゃん 」(13/NHK)、『男子高校生の日常』(13)、『人狼ゲーム』 (13)、『私の男』(14)、『ほとりの朔子』(14)など話題作に立て続けに出演し、第6回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞。ドラマ「ゆとりですがなにか」(16/NTV) ほか映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(16)、『淵に立つ』(16)、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』(16)、映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』(17)がある。映画『海を駆ける』(5月公開予定)の公開が控えている。

TEXT BY

しばた たみ
AFRO FUKUOKA ふく編集長

福岡糸島生まれ。カルピスとヤクルトが好きです。カタカナと横文字に弱いです。 へらへら:★★★★☆ 【特徴】どんな感情でも眉毛が下がっており、だいたい目がありません。 http://tamitawi.tumblr.com/

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目の前の臼田さんがツチダとしてしっかり居てくれた。
それが何よりも僕を自分をせいいちにしてくれた。

日常の普遍的な尊さと女性の繊細な心情をリアルに描いた、漫画家・魚喃キリコの代表作「南瓜とマヨネーズ」。当時のストリートファッションとカルチャーを牽引した雑誌『CUTiE』から派生した、『CUTiE Comic』(共に宝島社)にて1998年から1999年にかけて発表された。恋愛漫画の金字塔にして90年代を象徴する名作が『乱暴と待機』『ローリング』で知られる鬼才・冨永昌敬監督によって実写化。今回は、主人公・臼田あさ美さん演じるツチダの恋人"せいいち"を演じ、今、多くのクリエイターから出演オファーが続く太賀さんにお話を伺った。

ー映画『南瓜とマヨネーズ』出演の話を頂いた時にどのように思われましたか?

太賀さん(以下敬称略) ーいつか一緒にやらせて頂きたいと思っていた冨永監督と甲斐プロデューサーの作品に出演できるので単純に嬉しかったです。お二人が担当されている作品のオーディションを何度も受けたことがあり、とても光栄なことだと思いました。

ー太賀さん演じる“せいいち”はどんな印象でしたか?

(太賀)原作者、魚喃キリコさんの他の作品は読んだことがあったんですが、本作の漫画「南瓜とマヨネーズ」は読んだことがなく、演じるにあたって初めて読ませて頂きました。僕が演じる“せいいち”は、あまり実態がない。原作では主人公であるツチダの目線で描かれているので、心中のセリフもないし、画的にも横顔や後ろ姿だけだったり。その実態のなさ、何を考えているのか分からない曖昧さみたいなものを表現出来たらいいなぁと思いました。原作を読み込んでいく内に、同じ男性だから分かるせいいちの感情もあったりして面白かったです。あとは、僕が役者で彼がミュージシャンという『表現する』ことを生業としている共通点が大きかったかなぁ。その共通点から抱えている悩みや葛藤みたいなものを糸口にして、自分なりにせいいちを掴んでいったような気がします。

ー演じるにあたって難しかったところはありますか?

(太賀)せいいちとの共通点は多くあるんですが、そうじゃない部分もたくさんあって。同じ表現者だけど、作家さんやミュージシャンは0から1にする作業で、僕たち俳優は元々脚本があるので、1から広げていく作業。その“産みの苦しみ”みたいな気持ちの部分は難しかったかなぁ…。あとは、ミュージシャンとしてのせいいちに、どれだけ説得力をもっていけるかってところですね。普段、歌を歌うっていう機会が友人とカラオケに行くっていうくらいでしかなかったので(笑)。ミュージシャンと比較すると小さい体験ですけど、自分で作詞作曲をしてみたり、ギターを練習してみたり、実際に休みの日に路上に出て歌ってみたりとか、そういう小さいことの積み重ねで何とかミゾを埋めていった感じですかね。

ー最後のシーン、せいちゃんの歌声がとても印象的で心地良く、説得力があるものだったので、太賀さん歌も歌えるの!?と驚きました(笑)。

(太賀)いやいや、全然です(笑)。学生時代にノリで「バンド組もうぜ!」みたいに盛り上がって、バンド名だけ付けたりして人前には立たずそのまま解散して終わりとかはありましたけど(笑)。あの曲は撮影が始まって、少し経ってから完成したんです。どんな曲になるのかも分からないまま、ドキドキしながら待っていたんですけど、いざ届いてみたら素晴らしい曲だった。歌も劇中歌を担当してくださったやくしまるえつこさんに直接指導して頂いて、本番当日も何度も練習していました。もうドキドキでしたね。臼田さんに「はぁ〜!?」って幻滅されたらどうしようって(笑)。でもやくしまるさんや冨永さんを含め周りにプロフェッショナルな方が集まってくれて、万全の態勢が整っていたので僕は全力を出すだけで。歌い終わった後も自然とツチダを見て、嬉しい気持ちとか自然な笑顔とか、最も素直に感情を出せている場面だと思います。

ー冨永監督の印象はどうでしたか?

(太賀)いつも僕は脚本を読んで、ある程度自分の中で咀嚼した状態で撮影に向かうんですが、冨永監督は現場でどんどんアイディアが膨らむ方で。追いつくのに必死でした。撮影中は、何でこんな事を言ったり、そんなニュアンスを出したりするのか、正直理解できないことか何度かありました。でも、冨永監督の作品は好きですし、冨永監督とやりたいと思って望んだので、僕の考える理屈じゃなくて、冨永監督の演出に乗っかってみようって。いざ完成して映画として1本の作品になったのを観て、僕が演じたせいいちという人物が、すごくせいいちらしく映る瞬間が全て冨永監督の演出部分だったんです。改めて冨永監督の凄さ、これが色んな役者さんが冨永監督とやりたいと声を挙げる所以なんだと実感しましたね。

ー確かに演出では、シャワーやカップを置く音など、暮らしの音が印象的で、何気ないツチダとせいちゃんの日常がスクリーンに存在している感じがしました。好きなシーンはありますか?

(太賀)思い出すと…撮影の大半が切ないシーンばっかりで。ずっと胸が痛かった(笑)。そのなかでも、ふたりが出会って恋人同士になっていく回想シーンが演じていて楽しかったですね。

ーすごく自然にツチダとせいちゃんを演じられていたと思います。臼田あさ美さんとは以前からお知り合いだったんですか?

(太賀)映画『南瓜とマヨネーズ』の話がくる2週間前くらいに、実はプライベートの繋がりで臼田あさ美さんとはお会いしていて。その時は知らなかったんですけど、キャスティングの話を聞いたときはご縁を感じましたね。なので、クランクインする前の数ヶ月の間、プライベートでも臼田さんと交流を図れて、臼田さんの中にあるツチダの要素を知ることができました。そこでお互いに信用し合えたんだと思います。

ー臼田あさ美さんの印象はどうでしたか?

(太賀)クランクイン前は作品のこととか、お互いが不安に思うことを話し合ったりして、それぞれの不安を取り除く作業ができました。クランクインしてからは、ほぼそういったことはせず。現場が一緒になっても、話さないときもあったし、それが全然苦じゃなく自然体でいられました。それが今回のツチダとせいちゃんの2人の関係性に出ていたと思います。おべっかなしに、臼田さんは芯があって女優さんとしても女性としてもステキな方。僕がせいいちを演じる上で、目の前の臼田さんがツチダとしてしっかり居てくれたのが何よりも自分をせいいちにしてくれたんだと思います。本人(臼田さん)はそんなつもりないって言ってたけど(笑)。

ー今回、ビジュアルを担当した川島小鳥さんが撮り下ろした映画公開記念写真展「ツチダとせいちゃん」(現在Saturday . AND READYにて2/16[金]まで展示中)も開催中ですが、カメラマンの川島小鳥さんとのエピソードがあれば教えてください。

(太賀)臼田さんも、僕も、小鳥さんに撮ってもらって写真集を出していて。僕は去年、1年間かけて小鳥さんに撮ってもらった「道」っていう写真集を出しているんです。この撮影は臼田さんも小鳥さんとも、しょっちゅう会う時期に撮影したので、とても楽しかった!映画『南瓜とマヨネーズ』の公開記念として、本編のストーリーとは別に、小鳥さんがツチダとせいちゃんを撮り下ろしてくれてるんですが。小鳥さんがこの作品に携わってくれるって聞いたときはとても心強かったし、絶対いいものになると確信できましたね。この撮影は映画の撮休日に行ったんですけど、数時間の撮影が、すごく楽しかった印象ですね。それが写真にも出ていると思います。ストーリー上、それ以外は喧嘩ばっかしてたし、険悪な雰囲気のシーンばっかだったんで(笑)。小鳥さんとの撮影は全然緊張感もなく。基本3人で散歩する感じで各シーンを撮り周るんですけど、「はい、ここ立ってくださーい。はい(カシャッ)。」みたいな感じでゆる〜く撮影が進んでいく (笑)。僕自身もプライベートで写真を撮るんですけど、撮られるのはあんまり得意ではないんです。撮るのは楽しいけど、撮られるのは恥ずかしかったりとかがあって。だけど、小鳥さんと出会って、1年一緒に撮影してたってものあるけど、撮られることを楽しむことができるようになった気がします。

ー最後に福岡の方へメッセージをお願いします。

(太賀)福岡は3回ほど来たことがあるのですが、いずれも仕事でバタバタしていて。今回も明日には帰らないと行けないので限られた時間で美味しいごはんと美味しいお酒を楽しみたいです!映画『南瓜とマヨネーズ』は、福岡では2/3(土)からトリアス久山で拡大上映が決定しています。恋愛をしたことがある方だと、日常と地続きになっている作品なのですごく共感できる部分が沢山ある映画だと思います。過去の恋愛だったり、これからの歩み方を肯定してくれる映画になってると思います。あと、冨永監督が言ってたんですけど、恋人と観に行く場合は、今のパートナーとうまくいってると傷つく場合があるかも…今のパートナーとうまくいってなかったら、すごく響く映画だって言ってましたね。恋人と行く方…付き合いたて注意と(笑)。いうことで!楽しめる映画になっておりますので是非、劇場でご覧ください。

INFORMATION



ライブハウスで働くツチダ(臼田あさ美)は同棲中の恋人せいいち(太賀)がミュージシャンになる夢を叶えるため、内緒でキャバクラで働きながら生活を支えていた。一方で、自分が抜けたバンドがレコード会社と契約し、代わりにグラビアアイドルをボーカルに迎えたことに複雑な思いを抱え、スランプに陥っていたせいいちは、仕事もせず毎日ダラダラとした日々を過ごす。そんなとき、ツチダはお店に来た客、安原からもっと稼げる仕事があると愛人契約をもちかけられる。ある晩、隠していた愛人からのお金が見つかってしまい、ツチダがその男と体の関係をもっていることを知ったせいいちは働きに出るようになる。そして、ツチダが以前のようにライブハウスだけで働きはじめた矢先、今でも忘れられない過去の恋人ハギオ(オダギリジョー)が目の前に現れる。蓋をしていた当時の思いが蘇り、過去にしがみつくようにハギオとの関係にのめり込んでいくツチダだったが…。
ユナイテッド・シネマ トリアス久山にて2/3[土]より上映決定!
監督・脚本:冨永昌敬
原作:魚喃キリコ『南瓜とマヨネーズ』(祥伝社フィールコミックス)
出演:臼田あさ美、太賀、浅香航大、若葉竜也、大友律、清水くるみ、岡田サリオ
光石研/オダギリジョー
音楽監修・劇中歌制作:やくしまるえつこ
写真:川島小鳥
制作プロダクション:スタイルジャム
配給: S・D・P
製作:『南瓜とマヨネーズ』製作委員会

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  • 太賀
    俳優
    1993年、東京都生まれ。 存在感のある高い演技力が老若男女のファンの心をつかみ、多くのドラマや映画、舞台に出演。映画『バッテリー』(07)で注目を集め、「天地人」(09/NHK)、「江〜姫たちの戦国〜」(11/NHK)、『桐島、部活やめるってよ』(12)「八重の桜」(13/NHK)などに出演し人気を博す。その他にも「あまちゃん 」(13/NHK)、『男子高校生の日常』(13)、『人狼ゲーム』 (13)、『私の男』(14)、『ほとりの朔子』(14)など話題作に立て続けに出演し、第6回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞。ドラマ「ゆとりですがなにか」(16/NTV) ほか映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(16)、『淵に立つ』(16)、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』(16)、映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』(17)がある。映画『海を駆ける』(5月公開予定)の公開が控えている。

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