AFRO FUKUOKA

VOICE

VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2010.5.1 Sat

VOICE TITLE

vol.18 カーリー・ジラフ

音楽プロデューサー

INTERVIEW

  • カーリー・ジラフ[Curly Giraffe]
    音楽プロデューサー
    学生時代からベーシストとして数々のバンドで活躍。美大卒業後、デザイナーとして仕事をするかたわら続けていたバンド活動が忙しくなり、音楽活動に専念。いくつかのバンドでメジャー・デビュー後も、ベーシストとしてのサポート、プロデュースなどで多岐に渡り活躍。とにかく、モノを作っているときが一番幸せと語る。コンセプチュアルなお洒落さと、ドロドロとした初期衝動が同居するカーリー・ジラフ・ワールドを基本形に、さまざまなフィールドで発信中。制作のほとんどすべてを一人でこなすアルバム制作のスタイルとは別に、ライブにおいては永年の仲間たちである凄腕の曲者たちとともにセッションを繰り広げ各地のフェス等で観客を沸かしている。

TEXT BY

STAFF
AFRO FUKUOKA

福岡の情報ポータル&ウェブマガジン

10082

福岡のお客さんは、熱いというか、温かいというか…反応がダイレクトに返ってくる。

福岡に来ることはよくありますか?

はい。福岡にはよく来ていますね。誰かのサポートをするためだったり、前やっていたバンドと一緒にライブやるためだったりでしょっちゅう来ていました。正直結構来たことあるので、もう正確な来福の回数は忘れるくらいです。あと実は、単独でライブをやるために来るのは、5月が初めてなんです。

来福の際、お仕事以外でよく行く場所や好きなお店などはありますか?

赤坂にある美容室「BEEHIVE DELUXE」。このアフロのサイトにも載っていましたよね?

以前、オーナー様にコラムを書いていただいたことがあります。アメリカの50’sスタイルにこだわられたとても個性的なお店ですよね。

そう、BEEHIVE DELUXEの上野さんとは、好みがよく似ていて。昔からの友人なんですよ。東京で仕事をしていた頃の上野さんとは、よく遊んでいて…いつのまにか、「地元にお店つくるから」といって帰ってしまったんだけど、それからは福岡に来るといつも飲みに行ったりしています。

福岡でのライブは多いと伺いましたが、ライブに対する観客の反応は、福岡と東京では違うところはありますか?

そうですね…ありますね。正直な話、東京のお客さんは割と腕組んで見ている感じがします。そんな人ばかりではないけれど、割とそういう傾向があるんですよね。一方で福岡のお客さんは、熱いというか、温かいというか…反応がダイレクトに返ってくる、そんな感じがしますね。

僕は、音楽に対して、あんまり区別をつけないので、気に入ったらジャンルを問わず何でも好きになる。

サウンドプロデューサーとしての自分とアーティストとしての自分。一人二役をしていますが、それぞれ音楽に対する思いやこだわりに違いはありますか?

特に棲み分けはしていなくて、僕自身は音楽をやる側であり、聴く側でもあるから、どちらの感覚を持ち合わせていようと思います。僕は、単純に音楽が好きなのであまりそういうことを深く考えたことがないですね。

好きな音楽にはどういったものがありますか?

そうですね〜〜支離滅裂だと思われるくらい幅広いジャンルが好きです。基本は古い音楽が好きなんですが、新しい音楽も結構聴く方だと思います。僕は音楽に対して、あんまり区別をつけないので、気に入ったらジャンルを問わず何でも好きになる。今回リリースするアルバムには、中学校の頃からずっとすごい好きで未だに聴いている曲などが生かされています。学生の頃にすごい一生懸命音楽を聴いていたときの情熱や当時の雰囲気を新しいアルバムに少しでも表現できたらいいな…というのが、作る前から何となく頭の隅にありましたね。

楽曲を作るとき、好きな音楽を聴くときに好ましい場所はありますか?

僕は、ながら聴きができない人なんです。例えば、掃除をしながら音楽を聴くとか。だから、いつも寝る前にヘッドフォンをして、音だけに集中できるようにしてから聴くのが好きです。ただ、ツアー中だと、移動中にヘッドフォンで聴いたりはするんだけど、家で集中して聴いているのが好きですね。あと運転しながら聴くときもあるけど、本当に好きな曲を聴いているとちょっと運転が危なくなってしまうんですよね。だから本当に好きな曲は、車の中で聴かない。

ほとんどの音楽仲間との出会いは、知り合いのつてなんです。

前回のアルバム「Thank You For Being A Friend」では、ボニーピンクさんやチャラさん、Coccoさんなどとご一緒されていましたね。個人的に好きな方ばかりでした。

チャラは元々事務所が一緒でした。当時、僕のバンドのGREAT3が事務所が同じで、10年位前かな?そのバンドと一緒にチャラのツアーでサポートにはいったのがきっかけです。あとCoccoは、彼女のプロデューサーをしていた、ギターのオサダさんと僕が知り合いだったので、それで紹介されたのがきっかけなんですね。ボニー(ピンク)は、僕が一緒にバンドをやっているギターのアイゴン(會田茂一)が彼女のライブのサポートをしていて、要するに全部知り合い伝手なんですよね。僕、知らない人とあまり仕事したことないっていうか…ほとんどの音楽仲間との出会いは、知り合いの伝手なんです。そうやって繋がった人たちが、たまたま個性派だったっていう(笑)

音楽を一緒にやる人とは考えを共有したいと思いますか?

そんなことはないです。ただ、今回質問に名前が出てきた人たちをはじめ、僕が音楽を一緒にやっている人たちは、半分友達みたいなものだから、「気を遣わずつっこんだ話ができる」ということは、大切にしているのかもしれません。そうやって正直に話せると音もリアルになるという気がします。相手との距離が近い方がいいですね。今ちょうど、Coccoのレコーディングをやっていて、僕の自宅にまで来てもらって、デモを作ったりしています。そうやって音をつくりこみながら、進めるタイプだから知らない人とは作れないんです。僕は、意外と人見知りなので、知らない現場に行くと挙動不審になってしまうんですよ。だから知り合いが居ると、ホッとする(笑)

昨年の10月は東京でライブを行われたんですよね?

「Thank You For Being A Friend」の発売日に、東京だけなんですがライブをやりました。アルバムに参加してくれたアーティストがほとんど出演してくれて、すごいイベントになったんですね。何が一番すごかったかというと、楽屋の面子の様子なんですけどね。当日は、ライブハウスの楽屋の数が少なめだったので、全員が大部屋にひとまとめに入っていました(笑)

あのメンバーが一同に集まっているって…かなり豪華ですね。

はい(笑)。最初は、パーテーションで仕切って、個々の楽屋にしようとしていたんですが、面倒くさくなってきて。それと、アーティスト同士が意外と接点もありそうな人たちもいたからいいかなと。そこでは、アーティストが、CDの交換会とかしていたりしていましたね。

一人でやるからこそできるような、100%自由なものを作りたかった。

4月21日にリリースされる「Idiots」はどんな仕上がりですか?

昨年のライブでは、皆に音楽のパワーをもらうことができました。だからその勢いのままで作れたというか。僕の今までのアルバムは、穏やかな曲調が多かったりもしたんだけど、今回はロック調で、もうちょっと勢いをカタチにしたいと思って作りました。

こだわられたところってありますか?

そうですね〜。僕は、全部一人でレコーディングしているんで、何も考えなくても自分らしさはでます。ただ今回は、自分らしさだけではなく、どれだけ素のままの音を出せるかというのを考えました。一人でやるからこそできるような、100%自由なものを作りたかった。何の制約もない中で作ったので、そのときに思いついたものを吐き出しました。ソロリリースの時は、今後もその姿勢は変わらないと思います。

パッと思いついたものは、書き留めるなどしたのですか?

僕、実は普段から鼻唄とかでも、音をレコーダーで残しているんですよ。いつも家で思いつくんです。外にいると、何故だか全然思いつかない。家には、録音するためのものが何かあって、ふっと思いついたらすぐ残す。大体、寝る間際とかに思いついて入れています。そしてその素材は、しばらく寝かしておきます。それで時間があるときに、聴き直して「今日はこの曲やろうかな」みたいな、そういう感じで作っています。

声が低めのトーンで格好いいので、鼻唄も聴いてみたい気がします。

それは絶対人に聴かせられないですね。(笑)

音楽に対する想いをお聞かせください。

僕は、基本ポップスが好きで、ポップスというのはそもそもポピュラリティーだから、やはりそこを目指しています。僕の音楽もたくさんの人に聴いてほしいと思って作っているので、いわゆるポピュラーミュージックを作っている。僕の音楽もロックであり、ポップスだと思いますよ。

5月30日に大名ROOMSで行われるライブの見どころとメッセ―ジをお願いします。

実は、Curly Giraffeでは初めてのツアーなんです。最初のワンマンツアーであり、最初の福岡。だからすごい楽しみにしています。今回のライブはメンバーもすごいので、バンドをやっている人には、絶対来てほしいですね!もちろん、バンドをやっていなくても見てほしいですが。音源は穏やかな部分もあるのですが、ライブはいい意味でかなり熱くなるので、音源より激しい感じになると思います。Curly Giraffeの多様な顔っていうか、音の表情がライブでは見られると思いますので、ぜひ体験してほしいです。

INTERVIEW

  • カーリー・ジラフ[Curly Giraffe]
    音楽プロデューサー
    学生時代からベーシストとして数々のバンドで活躍。美大卒業後、デザイナーとして仕事をするかたわら続けていたバンド活動が忙しくなり、音楽活動に専念。いくつかのバンドでメジャー・デビュー後も、ベーシストとしてのサポート、プロデュースなどで多岐に渡り活躍。とにかく、モノを作っているときが一番幸せと語る。コンセプチュアルなお洒落さと、ドロドロとした初期衝動が同居するカーリー・ジラフ・ワールドを基本形に、さまざまなフィールドで発信中。制作のほとんどすべてを一人でこなすアルバム制作のスタイルとは別に、ライブにおいては永年の仲間たちである凄腕の曲者たちとともにセッションを繰り広げ各地のフェス等で観客を沸かしている。

OTHER VOICE

その他の記事