VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。
魚座の金星人+ すきな言葉は「生きてるだけでまるもうけ」 日本のサラリーマンはスナックに支えられていると本気で思っています。
2005 年の『ALWAYS 三丁目の夕日』で第 29 回日本アカデミー賞において計 12 部門で最優秀賞を受賞。のちにシリーズ化され 3 作総興行収入 112 億円超の大ヒット記録を樹立した日本映画界の至宝・山崎貴監督待望の最新作は、西岸良平の累計発行部数 1000 万部(既刊 34 巻)のベストセラー「鎌倉ものがたり」。かつて誰も見たことのない日本映画最高のファンタジー超大作に挑んだ監督に、作品への想いやエピソードを伺った。
僕の映画は英語のタイトルが付いていることが多いんですけど、実は付けているのはプロデューサーなんですよ。仕方なく容認しているんです(笑)。 まあ、映画を観る前はなんのこっちゃという感じでしょうが観たら「DESTINY」だな、と感じていただけるかと。
一つは「ALWAYS 三丁目の夕日 」の原作者である西岸先生の代表作なので是非やりたいなと思っていたのと、原作の中の夫婦のエピソードが凄く好きで。実は原作者の先生と奥様の関係にとても似ているんですよ。 何度か会わせていただいたんですけど、お二人の感じそのまんまなんですよね。いいな、素敵だなぁと思いました。
そんな辛い結婚生活なんですか(笑)。少なくとも鎌倉地方には一組いますよ。
そうですね、最初に決めたのは「理想の鎌倉」を作ることです。皆が思い描くノスタルジックな鎌倉を作ろうっていうのがありまして。実際撮影するとなると看板が入ってきちゃったり工事現場が入ってきたりするので、それらは全て排除しました。有名な観光地でもありますし、撮影の時はいくら待っても工事が終わらないなんてこともあって、デジタルで綺麗に整え直さないといけなかったりとか。ムードを維持するために大変な目にはあったんですけど、でも皆の記憶に残っている鎌倉が出来たので、結果良かったなと思っています。
西岸先生の漫画でも魔物はたくさん出てくるんですけど、すごく愛らしいものが多くて。敵のボスだったりしてもそこまで怖くないんですよ。それを実写の映画に移し替える時にまんまってわけにはいかないし、ある種のリアリティみたいなものを残さないといけないんですけど、そこが今度リアルになりすぎちゃってハリウッド的なやつになるとどうしても恐い・・。愛嬌みたいなものがなくなっちゃうので。その中間の良いところを探るのがすごく難しかったですね。
あれはプロデューサーの癖なんですよ。
脚本の打ち合わせをするとすぐ(くるくる・・・癖を再現する監督)やり始めるので(笑)。それが面白かったから、じゃあそのまま使おうって。変身すると、あまりにも姿が変わっちゃうので、本田さんが本田さんであるという痕跡をいくつか残しておかないといけないな、と。もちろん声とか表情とかは堤さん本人のものなんですけどね。何個か残そうと思ったうちの最たるもので分かり易いのがそれです。
そうです。ほとんど作ったものです。何個かCGのキャラクターが紛れ込んでいるんですけど、基本的には全部実際に作ったんですよ。美術部・装飾部は凄く大変だったと思います。物語に出てくる変な果物とか足大根も全部再現していたので驚きましたね。 現場ではオープンエアでの撮影でした。32店舗くらいあったのかな。けっこう大変だったと思いますよ。(夜市のセットがリアルで)本当に間違えて一般の方が来ちゃって(笑)。山の中でやってたんですけど「あれ、何やってんの?何やってんの?」って(笑)。
あれは東宝のスタジオの中にあるセットです。背景の山々の景色を作るために周りは全部合成し直して。門から外を見るシーンとかがけっこう大変なんですよ。そこも全部合成しなきゃいけなかったんで。きっと現場に行くとびっくりすると思いますよ。
堺さんはクレバーなシーンの時はすごくそういう感じも出るし、且つだめなときというか失敗した時にキュートさがあるというか、可愛らしさがあるんです。もちろん、お芝居がとても上手な方という大前提のもと、お願いしました。高畑さんも当然お芝居は上手なので。そしてこの二人は結構いちゃいちゃするシーンがあるんですけど、反発を買わないようにしなきゃいけないんですよ。ギリギリのところで皆から可愛らしいねって思わなれきゃいけない。それをやるのは意外とスキルが高くないと出来ないんですよね。きわっきわのとこまでいってもらいつつそこですませとくっていう。もうちょっとスキルが足りないと何か鼻につくような感じになってしまう可能性があるんですけど。持って生まれたスキルの部分であったり人柄の部分で可愛らしい夫婦でいるためのキャスティングをしていますね。
そうですね。童顔に見えるっていっても本当に若い子になっちゃうと離れすぎてしまうんです。年齢が24、5才で童顔に見える人を探さないと。童顔女優としてはね、すでにお力を持ってらっしゃるので(笑)。でも母性も出さなきゃいけない、両方出来なきゃいけない。
大分私情に向かってきましたね(笑)
いえいえ、どんどん挟んでください(笑)。私情を挟みやすい映画だと思うので。結構いろんな人達が、早く帰って奥さんに会うんだ!とか、結婚したくなったとかいう声を聞かせてくれるんですよ。
あ~!なんか本当にいいチームになりましたよねぇ~!あれでスピンオフ作りたいくらいです。
はい、はい。あれは捜査のためですから。誤解なきよう。 すっごい夢中に嗅ぐんですよね。変態のように嗅いでくださいって指示したんですけどね。本当に変態のように嗅いでくれて素晴らしかったです。あの時の堺さんの「あっ・・・」っていうリアクションすっごい好きですよ。丁度いいリアクション。
どんどん笑ってください!
もうみんな濃くて印象に残りまくりですね。誰が聞きたいですか?
安藤さんは今までこういう役はされてないんですけど、イタリアの映画祭に行った時に日本チームの中に安藤さんもいて。数日一緒に行動してたら結構仲良くなって。その時に当時映画で演じられていたような女性っぽい役ではなく、今回の「死神」のような性別がない感じの中性的なキャラクターをやってもらうと逆に面白いんじゃないかなって思ったんですよ。本人もすごく楽しんでくれて。ストーリーの中ではするっと流れていってしまうようなキャラクターなんです。奥深いところまで関わってくるわけでもないし。だけど安藤さんが演じてくれたことでキャラとして立ち上がったので、いろんな所で意味が出てきてくれました。 実際の反響もあって、Twitterとか見てると安藤サクラの死神が~ってつぶやいている人多いですね。
昔から映画に出ていらっしゃる方なので、僕のこと「先生」って呼ぶんですよ。最初「先生」って呼ばれた時は僕のことだと思ってなくて誰のこと言ってるんだろうなと思ったら、どうも僕のことらしいってことがわかって。あの時代の方は先生って呼ぶみたいですね。 NGを出すと「フイルムを無駄にしてしまってすみません・・・。昔からよく怒られるんです・・・」って。「デジタルなんで全然大丈夫ですよ〜」って何度言ってもなかなか信じてくれなくて(笑)。
ねっ。
堤さんはね。もう長いんですけど、でもあの人が醸し出す切なさって独特のものがあるじゃないですか。何か、通り一遍のものじゃない感じの、ちゃんと突っ張っていても漂う切なさがすごく感じられるというか。途中でカエルの魔物に変身しちゃうので今回の映画の撮影では、現場にはほとんどいなかったんですけどね(笑)。堤さんは初日に声まで録っちゃって、その声に合わせて女優さんが演技しているんです。表情はCGで堤さんに置き換えているので変身してカエルの魔物になってからも堤さんっぽく見えるとは思いますが。
そうですよね。いろんな人生のケースが描かれているので、どれかには引っかかると思います。まぁ魔物になっちゃった人は居ないと思いますけど(笑)。
どんどん声を出して泣いてください。笑うと泣きやすくなるしね。感情が出しやすくなる。作っている時はそんなに泣いたりする映画ではないと思っていて、ちょっとグッときたり、にこっとしたりするくらいの感情の幅かなと思っていたんですけど、皆の感受性が高くてよかったなって(笑)。
普通の日常というのがどんなに素敵かということを伝えたい映画なんですよね。そうすると宇多田さんの曲ってそういう部分、あると思うんです。何ということない日常の時間を描いているのに少し輝いて見える技を持っている気がしたので。是非そういう部分を描いて曲を作っていただきたいと思い、お願いしました。おかげで映画がとても豊かになりました。
女性も男性も是非、これを観て結婚してください(笑)なんて。デートとかで行くとグッと距離が縮まる気がするんですよね。付き合い始めの感じとかを思い出してもらえるかな、と。恋人も夫婦関係も日が経つとごく当たり前のことのような気がしちゃうんだけど、そうじゃないんだよっていうことが少しでも伝わればいいなと思って作りました。どうぞ劇場でお楽しみください。
鎌倉に暮らすミステリー作家・一色正和(堺雅人)のもとに嫁いだ年若い妻・亜紀子(高畑充希)はその生活に驚くばかり。道を歩けば、魔物や幽霊、妖怪や仏様、死神(安藤サクラ)までも現れるのだ。どうやらここ鎌倉は、人と人ならざるものたちが仲良く暮らす街らしい。
本業の小説執筆に加え、鎌倉署の捜査にも協力する夫・正和は、その上、鉄道模型収集やら熱帯魚飼育やら多趣味でもあり忙しい。そんな一色家には、実年齢130歳? の家政婦・キン(中村玉緒)、腐れ縁の編集担当・本田(堤真一)、果ては貧乏神(田中泯)が居座るなど個性豊かな面々が次々に現れ騒がしい日々。亜紀子の理想とはちょっと違うけれど、楽しい新婚生活が始まった。
しかし、正和には亜紀子に隠していた秘密があった。その秘密が原因で正和は結婚に疑問を感じて生きてきたようだ。正和はなぜ亜紀子を見初めたのだろうか?
ある日、病に倒れた正和が目を覚ますと、亜紀子の姿が消えていた。夫への愛にあふれた手紙を残して――。なんと亜紀子は不慮の事故で亡くなっており、黄泉の国(あの世)に旅立っていたのだった。失って初めて気づく妻・亜紀子への愛。正和は亜紀子の命を取り戻すため、一人黄泉の国へ向かう決意をする。そこで彼を待っていたのは、亜紀子を黄泉に連れさった魔物たちとあの人の姿・・・・・・。
一色夫婦の命をかけた運命が、今動き出す。
■監督・脚本・VFX :山崎貴
■原作:西岸良平『鎌倉ものがたり』(双葉社「月刊まんがタウン」連載)
■出演:堺雅人 / 高畑充希 / 堤真一 / 安藤サクラ / 田中泯 / 國村隼 / 薬師丸ひろ子 / 三浦友和 / 中村玉緒 他
■公式サイト:http://kamakura-movie.jp/
■公開日:12月9日[土]
■劇場:TOHOシネマズ天神ソラリア館 / ユナイテッド・シネマキャナルシティ13 / T・ジョイ博多 他全国ロードショー
©2017 DESTINY 鎌倉ものがたり」製作委員会
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