AFRO FUKUOKA

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VOICE 来福した旬な著名人にお話を聞いてきました。

  • PEOPLE
  • 2009.12.1 Tue

VOICE TITLE

vol.16 akiko

ミュージシャン

INTERVIEW

  • akiko
    ミュージシャン
    十代から、ロンドン・ナイトに通い始める。パンクから時代を遡るように音楽を聴き始め、18歳の時にビリー・ホリデイ、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド等を通してジャズと出会う。大学在学中より、都内のライヴ・ハウスやジャズ・クラブでヴォーカリストとして活動をスタート。2001年、ユニバーサルジャズと契約。名門レーベル"ヴァーヴ"初の日本人女性シンガーとして、現在までに13枚のアルバムをリリース。須永辰緒氏や小西康陽氏をプロデュースに迎えた諸作でジャズ・ヴォーカルの新機軸を確立。2008年秋には、『What's Jazz? -STYLE-』『What's Jazz? -SPIRIT-』という2作を連続リリースし話題を集めた。今や楽曲のみならず、ジャケット・アートやファッションなど、発信する全てに注目を集めるヴォーカリストのひとり。
    www.universal-music.co.jp/jazz/j_jazz/akiko/

TEXT BY

STAFF
AFRO FUKUOKA

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10089

私の場合は、仕事柄、何が遊びで何が仕事かという境目がないんですよね。

akikoさんは、ファッションやライフスタイルなどから見て、「ボーイッシュで格好良い女性」というイメージを持ったのですが、ご自分ではどういった人だと思いますか?

ボーイッシュですか?意識したことなかったかも。私的なボーイッシュっていうのは、髪が短くてパンツしか履かないとかってイメージだから、ちょっと違いますね。でも、女々しいのはあんまり好きじゃない。男女問わず、話しかけにくいだとか、とっつきにくい印象だと言われます。でもそんなことはなくて。私の話を聞いている人がどう思っているかは別として、自分で自分のことを面白いとか思ったりする時があるから、きっと私は三枚目なキャラクターなのだと思います。

休日は何をしていますか?

私の場合は、仕事柄、何が遊びで何が仕事かという境目がないんですよね。例えば、音楽を聞きにライブにいくとか、美術館にいくとか、映画を見に行くとか、みんなにとっては遊びかもしれないし、それは私にとっても遊びの要素は強いんだけれど、でも仕事に繋がったりするから、だからあまり区別をつけて考えたりはしないです。何時から何時までレコーディングで、取材で、って風に時間的な拘束がある場合は、「今日は仕事だ!」という認識があるけど、そうでない場合は、いつが仕事で休みでっていう意識はないですね。

よくいくお店はありますか?

私はあんまり服は買わない。まわりにファッション関係の人が多いから、貰うか借りることが多いです。

スタイリングはご自分でされるのですか?

そうですね。ライブはもちろん、普段のプロモーション活動やジャケット撮影のときも自分でしています。

今欲しいものはありますか?

最近そういうものが思いつかなくて…自分は寂しい人間なんじゃないかって思ったり。(笑)あ、でも家具はほしいです。

akikoさんのお部屋はどんなかんじなのですか?

私は、あんまりごちゃごちゃと物を置くのが好きではなくて。白のインテリアが好きです。部屋はあんまりデコラティブではないかな。でもあんまりシンプルすぎると味気ないから、ファブリックアートを飾っていたりとか、友達の書いたイラストを飾っていたりしますね。

海外などは行かれたりしますか?また東京以外ですごく好きなところなどありますか?

旅行は、これまでに50何都市とか行ってきましたね。国で数えると20、30カ国かな。お気に入りの場所があってそこに行くというのはなくて、いろいろな行ったことのないところに行きたいから常に増え続けています。

福岡にはどのくらいきていますか?

福岡は多いですよ。もう50回くらいきています。以前、福岡でラジオの番組をやっていたから、すごく頻繁にきていました。

福岡の街のイメージはどうでしょうか?

福岡は買い物がしやすい街だと思う。天神は可愛いお店が固まっているから買い物がしやすいし、買い物したくなっちゃう街ですよね。私は、福岡や熊本とか、九州の人たちのほうが東京の人たちよりオシャレだと思う。ファッションに対して情熱が強いというか…熱意を感じます。

自分自身をわかっていないといけないと思う。

音楽性やライブパフォーマンスなどで影響を受けたことはありますか?

難しい質問ですね。すごく沢山あります。日々影響をうけて生活しているし、そういうものは常にうけていないといけないと思うし。でも、流されないことも大事。例えば、ファッションだと、毎シーズントップメゾンがコレクションを発表して、今季のトレンドはこれだと発表するじゃないですか。靴でいうと、去年から引き続きグラディエーターがきている。でもね、私、自分の足の形にグラディエーターが似合わない気がするんですよね。流行っているからといって必ずしも似合うとは限らないじゃないですか。それと自分がミックスしたときに、どうなるかっていう、イメージが必要かな。そのために自分自身をわかっていないといけないと思う。ファッションに例えましたが、音楽をつくる立場でもそう思って作っています。常に目に見えるものだけの話ではないんです。

そうやってご自分を理解したのはいつ頃でしょうか?

時期は…いつだろう?意識したことがないので、わからないですね。女の子はわりと、年頃になると自分のことを可愛く見せたいという願望があるから、どういう自分になりたいかっていうビジョンがはっきりあるんじゃないかな。そのために何がいま必要かというのが自然にティーンエイジャーの頃から見に付けるものなんだと思いますね。中には流行をそのまま受け入れて、似合わないファッションで歩いてる人もいるけれど…。流行に流されないで、本当に自分の求めているものを持っているかどうかということが大事だと思います。

せっかく自分の周りにはこういった面白い人がいるのだから一緒にやりたいなと思っていました。

今回のアルバムを作成するに至った経緯をお聞かせ下さい。

「HIT PARADE – LONDON NITE トリビュート」は、いずれ作りたいと思っていたアルバムです。自分がジャズで活動してきたというフィールドと「LONDON NITE」というのは、割とギャップがあるみたいだったので。でもそれを少しづつ距離をうめていって、せっかく自分の周りにはこういった面白い人がいるのだから一緒にやりたいなと思っていました。実は、このアルバムをつくるまでに、須永辰緒さんや小西さんの力を必要として、これまで何作かつくってきたんです。それを経て次は、もうできるんじゃないかなって思いました。そうして出来上がったのが「HIT PARADE – LONDON NITE トリビュート」です。

akikoさんもよく通われていたという「LONDON NITE」とはどういったイベントなのですか?東京ファッションの発信地であり、そこから様々なカルチャーが生まれたのだと伺っています。

「LONDON NITE」は、30年くらい前、大貫憲章さんが立ち上げたイベントで現在も続いているイベントです。パンク色の強いイベントとして取り上げられることの多いイベントなのですが、ポップスやニューウェーブなどを含めて、もっと幅の広いジャンル構成で格好いい音楽を紹介してくれているイベントです。今回のアルバムの選曲をみていただくとよく分かると思います。

akikoさんはいつ頃から行かれていたのでしょうか?

10代の頃から行っていました。

アルバムのジャケットのアートワークがとても興味深いです。ヒカルさんや高橋盾さんはどんな方々なのですか?

ジョニオ(高橋盾)さんは「LONDON NITE」での繋がりなのですが、今回どうしても関わってほしいなというのがありました。とにかく「LONDON NITE」は、当時文化服装学院の学生が多かったんですが、そこからファッション関係の仕事に進んだ人が多いんですね。ジョニオさんをはじめ、今回のジャケットのアートディレクションをしていたただいたヒカルさんもそうで。テレビの画面に映っているイメージとか、タイトルもヒカルさんのアイデアです。そし てジョニオさんにテレビのフレームなどのイラストを作成していただきました。ヒカルさんには、アート面と音楽面どちらのディレクションにも関わっていただきましたね。

akikoさんのブログを拝見しました.プロデューサーの小西さんがたまに登場しますが、小西康陽さんとの関係がとても良いように感じました。akikoさんから見た小西さんはどんな方ですか?

小西さんは…格好いいオタクですね。あんまりそういうこと言うと小西さんに怒られちゃうかもしれないけど。(笑)私は、小西さんとよく音楽の話をするほうだと思います。DJしている音楽についてとか、こんな音楽をつくりたいです、とか。仕事の話ですね。

それでは、最後にakikoさんの今後の展望などをお聞かせ下さい。

ジャズシンガーであるというスタンスは、ずっと持っていたいと思っています。私が自由になるためには必要なスタンスだと思うから。今回ロックアルバムをリリースしましたが、それまでに必要とした年月や労力、キャリアがあって、やっとそれを実現することができてはじめて、結果として面白い見え方となったんですよね。ジャズシンガーなのにこういったこともやるところが、自分の個性だと思います。今年は、もう一枚アルバムが出せたらなと思っているのですが、それは既にジャズのアルバムにしようと決めているんです。あまり自分では、ジャズだからロックだからと音楽ジャンルは意識しているわけではありません。だから今後もそういう風にやっていきたいと思います。無理をせずに、自分の中にあるものを自然に表現していきたいと思っています。

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  • akiko
    ミュージシャン
    十代から、ロンドン・ナイトに通い始める。パンクから時代を遡るように音楽を聴き始め、18歳の時にビリー・ホリデイ、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド等を通してジャズと出会う。大学在学中より、都内のライヴ・ハウスやジャズ・クラブでヴォーカリストとして活動をスタート。2001年、ユニバーサルジャズと契約。名門レーベル"ヴァーヴ"初の日本人女性シンガーとして、現在までに13枚のアルバムをリリース。須永辰緒氏や小西康陽氏をプロデュースに迎えた諸作でジャズ・ヴォーカルの新機軸を確立。2008年秋には、『What's Jazz? -STYLE-』『What's Jazz? -SPIRIT-』という2作を連続リリースし話題を集めた。今や楽曲のみならず、ジャケット・アートやファッションなど、発信する全てに注目を集めるヴォーカリストのひとり。
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