福岡の今をあれこれ更新
AFRO FUKUOKAの発行人にして、返り咲きの編集長。でしゃばり市民ランナー「西戸崎のぼる」の中の人としても知られています。
今回のマラソンにおける最大の敵、それは雨でもぬかるんだ道でもスタート直後の並走でも道幅の狭さでもプールなみの水たまりでもなんでもなくて、すんごい向かい風。まぁすんごい向かい風。
猫がいます。
淀川という幅広一級河川沿いを走るということもあって、向かい風がこれでもかと襲ってきます。マラソンとは、両足が地面に着地していないいわゆる「浮いている」状態が長く続くスポーツということもあり、風の影響をもろに受けるわけです。途中、なぜか「あれ、僕いま水中でもがいているのかな」と本気の息苦しさに変な錯覚を起こす始末。
トラップ情報②
福岡マラソンも海沿いを走るコースが含まれています。もしかするとものすごい向かい風に襲われるかもしれません。思ってるより向かい風、やばいです。バカみたいに前に進めなくなります。そんな時は他のランナーの後ろに隠れて風をしのぐとかすればよいようです。もちろんこの時の私はそんなテクニック知りません。地獄でした。
22km過ぎ、足の疲労を感じるとともに向かい風への罵詈雑言が増えはじめます。老若男女様々な方がご覧になるかもしれないこのブログでその内容は差し控えますが、普段の私を知っている人ならご理解いただけると思うのですがなにせ私は口が悪い人間でございます。その口の悪い私の罵詈雑言が淀川河川敷にひとつ、またひとつとポロポロと響き始め始めます。
そして気づけばコース沿い両端に増え始める足を止めた戦士たちの姿。そしてそのひとりひとりが、
[某人1]
ほら、君も楽になったらいいよ。
[某人2]
ねえ、こっちにきて一緒にゴロンしようよ。芝生気持ちいいよ。
[某人3]
足を止めてごらん、ジンジンして気持ちいいよ。
と手招きするまさに戦場。これが大会か!大会の罠か!と。
ただ、25kmの折り返しさえ越えれば、さすればこの向かい風が全て自分の背中を押す『追い風』に変わり、気分も多少変わるはず。その想いだけでなんとか25kmの折り返し地点に到達。
私だけでなく、並走するランナーみんなが折り返し地点手前で「あと少しで楽になれる!」と声を揃えて走っていたのはよい思い出。
トラップ情報③
しかばね達の誘惑は思いの外胸に突き刺さりはじめ、30kmを超えるあたりでは、自分のメンタルとどう向き合うかという大きな課題をつきつけられるという地獄は、なんとか気を紛らわせてもすぐになんどもループします。そんなトラップにはイヤホンで音楽を聴くという対策が一番よさげ。どうやら生真面目な僕は知りませんでしたが、公式のマラソン大会でも音楽を聴きながら走っていいそうです。メンタルが弱った時こそアッパーな音楽で気分をアゲアゲにして走りましょう。僕はただただ淀川の鳥のさえずりに悪態をついていました。
AFRO FUKUOKAの発行人にして、返り咲きの編集長。でしゃばり市民ランナー「西戸崎のぼる」の中の人としても知られています。
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